番外編─星峰香のクリスマス
私、星峰香は中学の頃のことを思い出していた。
*
クリスマス。
中学一年の時の話。
朝の10時過ぎに朝食を食べていた私。
もぐもぐと咀嚼していると、テレビを観て、笑っていた柚羽姉が私に向かって、買い物を言いつけてきた。
「香~暇でしょ。お菓子やクリスマスケーキ買ってきて~」
「嫌だよっ、ふん。柚羽姉が買ってこれば。しーらない」
「まだ怒ってんの?そんなんじゃあ、付き合えないよ。誰とも。つれないな~香は」
「何とでも言ってれば。私は行かないから、柚羽姉のためになんか」
口を尖らせ、頬を膨らませる私。
「香について行くのは?それならいいでしょ」
「い~や。一人で買ってきなよ。私は私の好きなものを買いに行くの!」
「ええー。こうなった香は何を言っても譲らないからなぁ。外に行きたくないけど、友達を誘うことにしよっ」
柚羽姉は、そう言ってテレビを消し、部屋に戻っていった。
私は、朝食を食べ終え、部屋に戻って服を着替える。
前日に両親から10000円を貰った。5000円ずつ。私の好きなものをこれで買ってきなさいと言われ、渡された。
家を出て、本屋に向かう。
私が、本屋で買ったのは前から欲しかった文庫本一冊と好きな歌手のアルバム。
次に向かったのは、ある人へのプレゼントを買いにショッピングモールへ。
同級生の男子にプレゼントをするため。
彼は違うクラスだけど、気になる人。名字は涼更。
勇気が出なくて、話したこともない。プレゼントは、マフラーと手袋にした。冬休みが終わって、学校が始まったときに下駄箱にいれようとしている。
直接は渡せない。使ってくれると嬉しいな。
最後に行列ができているケーキ屋で自分の分のショートケーキとモンブランを買って、家に帰った。数時間後に柚羽姉が帰ってきて、私のケーキを食べようとしたから喧嘩をした。
家族揃って、夕飯を食べ、両親が買ってきた美味しいプリンを食べた。
クリスマスが過ぎていった。