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夏休み─喫茶店での会話
翌日。
星峰家を後にし、自宅に向かった。
玄関の前であっ君に出会う。
「あれっ。あっ君じゃん。どうしたの」
「えっ、コウか。何で居なかったんだよ。たっくよー」
「彼女の家に泊まってて」
「どこまで進んだんだ、コウ」
「無理だよ。星峰さんの家族がね」
「へぇー、どうでもいいけど。どっか行かないか。コウ」
「どっかってどこだよ。どこもあいてないだろ、あっ君」
「あそこだよ。コウ。あ・そ・こ」
にやつきながら言う、あっ君。
俺達は、ある喫茶店で紅茶を飲んでいた。
ドリームビートだった。
あっ君がここを知っているなんて知らなかった。あっ君に星峰さんのことは話したことがあるが喫茶店の話はしていない。
「ここって、雰囲気がいいだろ。だからよく来るんだよ」
紅茶を啜りながら、言うあっ君。
「へぇー、そうなんだ」
「もしかして、コウ。来たことあるのか」
「まあね。この後、どっか行くのか」
頬杖をついて聞く俺。
「本屋に行ってから、コウの家で遊びたいけど、いいか」
「まあ。暇だしね」
会計を済ませ、喫茶店を出て、本屋に向かう俺達。