番外編—【中編】サニー・ガールズパーティー
「はぁ……」
「前は居たの、そういう男子?紅莉からそういうの聞いたことないから、聞きたいんだけどムリかな?」
風香は案の定、ため息を吐く。姫瀬は打って変わり、遠慮がちに訊いてきた。
「ううん、大丈夫。昔は居たよ、それなりに……」
声量を落とし、姫瀬の投げかけた問いに応じた。
「そうなんだ……」
「風香ちゃんと美蕾には言ってないけど……幼馴染が居るんだ、私。彼とはそれなりに仲が良いの……とっても優しい。けど……なんて言うのかな、好きだって、異性として?幼馴染として好きって想えるけど……その先、幼馴染っていう関係以上にはならないんだよね、ならなかった……」
「「……」」
二人は、私が紡ぐ言葉を遮ろうとせず、じっと聴いていた。
「彼がってわけじゃないけど……想い続けてたのが長いっていうと、彼にあたるかな。恋人いるらしい、彼には……」
「「なんで今まで隠してた、紅莉ぃ?」」
聴き終えた二人が鋭い目付きでにじり寄ってきた。
「えっい、いやぁ〜言うことでもないかなぁ〜なんて……」
「まあ、打ち明けてくれたんだし良しとするかぁ〜!な〜ぁ、美蕾ぃ〜?」
「そうだねぇ〜やっと話してくれたから今日のとこはねぇ〜!」
表情を柔らかくしてニヤけた二人が解放してくれた。
「じゃあ、次はぁ〜風香の番だね〜ぇ!」
と、標的を風香に切りかえた姫瀬だった。
恋愛のこととなると目の色が変わる姫瀬。
姫瀬の尋問に疲れ果てた風香が息を吹き返し、おやつのケーキが並んだテーブルについて、各々がケーキを頬張る。
まだまだガールズパーティーは続く。