最期のデート2
近鉄百貨店名古屋店の本館へと戻ってきた俺らは、4階のキハチカフェで一息つくことにした。
二人掛けの席で向かい合って、椅子に腰を下ろす俺と九条。
彼女は注文した『いちごとさくらの春色モンブラン』を美味しそうに口に運んでいる。
入店し、即決した彼女だった。俺は、彼女が注文した値段が千円を超えているモンブランを諦めた。
彼女に出してあげるから注文しなよ、と言われたが流石に値段が値段なだけに気が引けたので断った。
「感動したね、さぁくん。私が彼女みたいだったら、どうしてる?」
「ずっとおねぇちゃんの隣にいるよ……分かりきってること、聞かないでよ」
「映画のような場合だと、でしょ。現在だったら恋人の隣、を選ぶんじゃない……さぁくんは。私が打ち明けてなかったら、今のデートなんて無かったし……悩み事は増えてないでしょ。選択が違えば未来は変わる……人生、分からないものなんだから」
「うん……」
「ごめん……彼女を頼んだよ、さぁくん。私みたいに諦めきれてないから、歩み寄ろうとしてくれるだけで良いから……お願いね」
「分かったよ」
キハチカフェを後にし、ドトールに入店し、いちごオレを二人して注文した。
ホイップが盛られていて、美味しい。
昼食にしようにもどこも混み合っている時間帯なので、適当に時間を潰すことにした。