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ねだる彼女は可愛い
昼休み。
俺と星峰さんは屋上で昼食を摂っていた。
「涼更君、一口ハンバーグちょ~だぁい~」
彼女は、可愛くおかずをねだる。
「いいよ。はい、あーん」
俺は、口をあけて待っている彼女の口にハンバーグをいれてあげる。
「ういひ~」
とても可愛い俺の彼女。
「バイト先って、どこなの。星峰さん」
「喫茶店だよ、ドリームビートっていう喫茶店。学校からは少し距離があるけど、だめだった?」
「だめじゃないよ。けど、その喫茶店知らないなぁ」
「知らないのは当然だよ、涼更君」
「へぇー。そういえば、恥ずかしいって言ってたけど、男子に見られて恥ずかしい格好なの?」
「涼更君に、彼氏に見られるのが恥ずかしいっていう意味だよっ」
彼女が頬を膨らまし、俺を叩いてくるが優しくて、痛くない。これが菫だったらダメージが大きい。
「ごめん。ごめんってば、星峰さん」
「許してあ~げるっ」
「ありがとう。早く食べ終わろっ」
「そうだね。涼更君」
残っていた昼食を口に運ぶ俺達。