疲労が半端ない…
クリスマスが明け、翌日。
俺は左腕のピクピクと痙攣する感覚と右手を包み込むぬくもりで目を覚ました。
左腕には三奈の頭がのっており、スピースピーと寝息をたてた可愛らしい寝顔があった。
右手は柚羽さんの両手で包み込まれており、その上胸で右腕を挟まれていた。
……ずさらくぅん〜と寝言を言う柚羽さんの声が妙に艶かしい色気を感じる吐息が含まれ、ブルルっと身体が震えた。
……ス、ようよぅーコウおにぃちゃ〜んぅぅと、三奈までもが寝言で呟いていた。
三奈が目覚めて遊び相手をしていると柚羽さんが帰宅し、予想通りの展開で俺を巡り、柚羽さんと三奈が獲り合いを始め真っ二つに裂く勢いで左手と右手を掴み引っ張られた。
その後、柚羽さんと三奈に浴室に連れていかれて彼女らと風呂に入るハメに……
その後の記憶は不鮮明で——現在に至る。
二人を起こすまいとそっと静かに両腕を引っこ抜き、四つん這いでベッドの縁まで進み、フローリングに足をつけて部屋を抜けた俺だった。
階段をおり、階下のリビングに向かうと星峰さんがダイニングチェアに腰掛け欠伸をしていた。
「おはよう、星峰さん……朝食は済ませたの?」
「あっ涼更くん、おはよう。これからだよ」
彼女の正面に置かれたダイニングチェアに腰を下ろして、挨拶を返した俺。
二人して苦笑しながらため息を漏らした。
疲労が一夜にして蓄積された俺を気遣い、姉妹らが起きる前に帰宅したらと促され、従って帰宅した俺だった。
順調に進めば、3月上旬に完結……します。
本編が終われば、鴻汰と香の娘である紅莉の周囲について描き、終わりにします。
一年以上もだらだらと続いたおさこくを完結までお付き合いいただいた読者には感謝でいっぱいです。
紅莉は、将来誰かと結ばれるのかな……




