表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ミリおたには手を出すな  作者: ねこm
2/3

ミリおた推参2

長くなってしまったので分けました

「あの兵馬殿殲滅って我われが玉砕するならわかりますが?」


幕僚である将軍の一人が尋ねる


「神様から許可は下りてますから一時的なアバターを召喚しようと思っていますなので兵員の不足は解消


されますし後で武器の管理に頭を悩ませる手間もありません、次に考えるべき問題は侵攻軍をどう対処す


るかになりますつまり王国の方々が一兵も残さず殲滅を選ぶのかはたまた戦闘不能に追い込んで捕虜にす


るのかどちらを選びますか?」


兵馬の言葉にアダムは笑い出す呆気に取られる兵馬


国王が気でも狂われたのかと慌て出す将軍達を手で制すると


「いやすまん驚かせてしまって地球の方々はわが国の危機をあっさりと盤面をひっくり返して助けてくだ


さるその見事な手並みに笑いが堪え切れなんだ」


アダムはその場にいる将軍達の顔を見回してまた笑みを浮かべると


「お主等だってわしを笑えんぞさっきまでの顔色がどっかに消え失せて勝つ気満々ではないか」


そう言われてお互いの顔を見合わせた将軍達も笑い出す


部屋の中を笑いが満たす


そんな空気をアダムが引き締めると


「さて兵馬殿の質問に答えねばな我々の選択は・・・・・」


二日後王都へ続く舗装された道を軍旗を掲げた帝国軍が進んでいる大量の歩兵に守られた騎兵が通過する


今回の派兵軍の副長である帝国騎士イワンは帝国では珍しく平民からの叩き上げで庶民からも慕われる好


人物であった


「はあまったくこっちは嫌々やってるんだとっとと殲滅してくれよ」


イワンは切に願いながらため息を吐く


今回の派兵はイワンは反対であった


長年帝国を悩ませてきた疫病の対処法に食料増産のための農業ならびに畜産技術など王国から教示しても


らった技術知識は数多い


その返礼も行わずに婚儀を断られた皇帝が欲に駆られた貴族の口車に乗って今回王国侵攻を決断する


将軍達の甘すぎる目算にもイワンは腹が立っていた


出自重視で貴族でなければ事実上なれない将軍位


彼らはイワンの苦言をはなから耳を貸さず


これ以上逆らうなら更迭すると脅迫さえしたのであった


そんな仏頂面のイワンの隣に後ろから来た騎兵が並んで歩き出す


「イワンお前が今回の王国侵攻が反対なのは分かるが顔には出すなよ」


イワンを心配して声を掛けるのは実家は貴族でありながら新任時代からの友人であるヨーデル・シュバイゼンだった


「ヨーデルだが気に入らんのだから仕方ないだろお前こそいいのか師匠に迷惑を掛けるのは嫌だぞ」


イワンの剣術と鎗術の師匠それは前帝国騎士団長であり現辺境伯でもあるヨーデルの父レオナルドである


貴族を鼻にかけることもなく出自に関係なく部下を扱い望むものには自らの技術を惜しむことなく与えた


傑物である


「構わんよ俺も今回の侵攻は反対だしな親父の辺境伯就任だって親父の小言に嫌気の指した連中の入れ知


恵だと思ってるしなそうでなきゃ親父が素直に就任する玉か親父も愛想が尽きたんだろそれに長年心配掛


けどうしのお袋と夫婦水入らずで仲良くやりたいから来るなって言ってたしよ」


ヨーデルは旅立つときの父親の顔を思い出して笑みを浮かべる


「でお前はどう見る」


イワンはヨーデルに尋ねる


「生きて帰れれば物だねってところじゃないか」


ヨーデルは迷うこともなく答える


「お前も一緒か」


「そりゃそうだろこれだけ徹底して軍事技術の伝播を止めているなんてどう考えても危険性を理解して


抑えているとしか考えられんよ、例えそれが小規模の備えであったとしても数に任せての今の連中じゃ鎧


袖一触生きては帝国の地を踏むことはできんだろうさ」


ヨーデルは死ぬ覚悟はできていると言わんばかりにため息を吐く


そしてその日は訪れる明日には王都を視界に捉える距離まで到着したその日


帝国軍は早めに足を止め陣を張る


まったく抵抗のない王国を侮り


将軍達は酒を兵士達に振舞う酒に酔い浮かれる兵士たちの中


イワンとヨーデルだけが輪から離れ自分達のテントに集まる


「イワン、ここまでに在った町や村その全てから住民の避難、物資の避難が済んでいたこれを意味すると


ころをお前はどう考える」


「ヨーデル解ってて聞いているだろ一戦だそれだけで終わらせるつもりだこの戦を」


イワンは青い顔で答える言った自分でも信じられないのだが相手は歩兵と騎兵合わせれば一万からはいる


自分達を一戦消耗させ磨り潰すつもりであることは姿は確認できないが感じる視線が増していることから


考えて間違いない


相手は待っている帝国軍の将兵が彼らが選んだ場所に集まるのをそして今きょうこのとき全将兵はこの陣


内に集まっている


「終わりだ今夜でこの侵攻軍は敗北する」


そうイワンが言った瞬間地面が揺れるあわてて飛び出す二人


「なんだこりゃ」


イワンはそれだけしか言えなかった


通ってきた道が無くなりそれだけではなく前に続いていたはずの道まで消え失せていたからである


そして混乱に拍車を掛ける上級貴族の将軍


「何で道が無くなった誰か説明せよ」


そう言って酒臭い息をそのままに兵士達に絡む


そして混乱を切り裂く様に光が帝国軍全将兵を包囲する


「帝国軍王国侵攻部隊の全将兵の皆さんようこそ」


光に目が眩んでいる彼らを見下ろす丘の上に人が現れる


「貴様何者だ、名を名乗らぬか」


怯みながらも声を張り上げる将軍


「私は今回の作戦を立案した尼崎兵馬ともうしますそれで降伏していただけませんか帝国の皆さん」


兵馬の降伏勧告は続きます

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ