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第七十一話 「ドラゴンとの戦い(三)」

 スコットはマグナムを連射し続けた。ドラゴンの固い鱗に当たろうがお構いなしだ。

 エレンもまた向こう側でライフルをフルオートでドラゴンを撃っていた。

 ドラゴンにしてみれば小うるさい蠅のような攻撃だが、それでも二方向から飛んでくる弾丸にドラゴンはどちらを相手にすべきか躊躇しているようだった。

「よし、そのまま一生、そこで迷ってろよ、竜ちゃんよ!」

 しかし、そうはいかなかった。

 ドラゴンがスコットに向けて突進してきた。

 スコットはグルリと迂回するように位置を変えた。エレンも動いた。三角形の陣形は未だに崩れていない。

 ドラゴンは相も変わらず続く小うるさい攻撃に我慢ならず今度はエレン目掛けて突進した。

 エレンはライフルを下げて移動する。スコットも移動した。当初はどちらかに狙いが絞られればもう片側が率先して銃弾を撃ち、敵の気を引く予定だったが、ドラゴンの突進を阻むことはできなかった。なので三角の形を取りながら二人は移動し攻撃を続けた。

 ネルソンは今どの辺りだろうか。

 スコットがそう考えた時だった。

 突如、ドラゴンが翼を広げ後足で立ち上がった。

 その腹部から剣の切っ先が飛び出て来た。

 スコットもエレンも撃つのを止めて刃の動きを見守った。

 ドラゴンは苦し気に唸り声を発している。

 剣が振り下ろされ、ドラゴンの腹部を破った。

 紫色のヌラヌラした臓器がドッと溢れ出るとともにネルソンが飛び出してきた。

 彼は左手に大きなピンク色のヌメヌメしていそうな何かを持っていた。

 ドラゴンが断末魔の咆哮を上げて重い音を立てて倒れる。

 一瞬の静寂の後、歓声が上がった。

「これで黒い悪夢から解放された!」

 兵士達が口々にそう叫び喜び合っていた。

 竜の内部にいたのだ。ネルソンも酷いにおいだった。そして彼は左手に持っていた大きなピンク色の塊を見せた。

「ドラゴンの心臓だ。食うか?」

 スコットは頭を振り、エレンも苦笑いでスコットに倣った。

 その後、三人は国王から祝宴の誘いを受けたが固辞し、代わりにドラゴンの心臓を渡したのだった。国王は半ば嬉々としてそれを受け取っていた。きっとよくある伝承がこの世界にもあるのだろう。ドラゴンの心臓を食べれば不老不死になるとか、そんなものが。

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