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第五十五話 「飛翼獣」

 家屋に損害は出たものの、幸いにも村人に犠牲者は無かった。

 三人は村人に見送られ旅立った。神の機器によれば次なる目的地は未だに遠い点でしかないがこれまで通り、いつかはそこにたどり着けるのだ。今度はどのような障害が三人を待ち受けているのか、スコットは内心浮き足立つのを止められなかった。

 ネルソンは最強の戦士で、自分も銃には自信がある。そしてエレンもまた射撃の素質が高かった。彼女が盗賊共を一方的に高所から狙撃し葬り去った姿を思い出し、スコットは自分のことのように嬉しくなっていた。

 俺達は言わば無敵だ。どんなモンスターが現れようと必ず葬り去ってやる。

 先を行くネルソンとエレンの姿を見てスコットはそう思ったのだった。



 二



 スコット達はこれまでそうしてきたように、街道沿いの村や町で休み休み足を進めていた。

 そうして意気揚々と神の機器が指し示す林道を行き、森へ入って行った。

 程なくして神の機器は反応を示した。光の羅列が集結し特大の点へと成り代わる。点は忙し気に右往左往していた。

「今度の奴は動きが速いみたいだな」

「そうですね」

 スコットの言葉にエレンが頷いた。

「それにしてもこの辺りを駆けずり回ってるようだが、ちっとも姿が見えねぇな」

 スコットはフル装填したマグナムを提げつつ左右の木々の先を見回した。

 その時だった。

 高らかな声音が鳴り響いた。

 鳥の声だとスコットは思った。中でも猛禽類を想像させた。

 バサバサと空気を孕む音がし、右手の木々が煽られてしなっている。

 スコットは見た。空に一体の大きな影があり、それがグングン自分達の前に降下してくる。

 やがて羽音が止み、林道に降り立ったその姿をスコットは見た。

 馬ほどの大きな身体は白い毛並みで覆われ、茶色の立派な両翼がある。首が少し長く黄色のくちばしを持っていた。つぶらな二つの瞳がこちらを不思議そうに見ていた。だが、相手が猛禽と違うのは、その爪のある立派な足が四つあるということだった。つまりは鳥ではなく獣の類に属するだろう。

 スコットはその額に向かって銃口を向けた。

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