第五十一話 「第七ステージへ」
翌朝スコット達は町を後にし、旅を再開した。
久々に洗濯したためか、心地良く清潔な石鹸のにおいが三人を包んでいる。
「これからは定期的に服を洗うことにしようぜ」
スコットが言うと、予想に反してエレンは笑顔を浮かべず難しい顔をした。
「心配するなよ。アンタ一人に任せるつもりはないさ」
スコットが言うとエレンが答えた。
「違うんです。そうじゃなくて……あ!」
悩んだかと思うと女神は目を見開いて声を上げた。
「と、いうことはスコットさんの御洋服を洗う機会が増えるわけですよね!?」
女神が興奮気味にこちらを見て来たのでスコットは驚きつつも言った。
「それはそうだな。だけど、自分の洋服ぐらいは自分で洗うさ」
「いいえ、私がやります! スコットさんの分も、ついでにネルソンさんの分も御洗濯は任せて下さい!」
エレンの迫る様な剣幕に押され、スコットは頷いてしまっていた。
「アンタがそこまで言うなら」
「えへへ、任せて下さい」
それから一行は足を進めた。神の機器の反応はまだ遠かったが、途中の町や村に泊まりつつも、地道に歩んでいった。
やがてその反応が強くなり、一行はある村に辿り着いた。
神の機器の反応からか、これまで立ち寄って来た町や村の、いつもの様に旅人を歓迎する空気はここには流れていなかった。
「今度のステージはここか」
神の機器は矢印がそれなりに大きくなり南西を指していた。
すると突然、村の中から高らかな鐘のような金属音が鳴り響き、あっと言う間に現れた村人達によって三人は包囲されてしまった。
人々は農具を明らかに武器に見立てて、殺気立っている。
「何か勘違いしてないか? 俺達はただの旅人だ。厳ついのもいるが、この通り可愛らしい女の子だっている。安心してくれ」
スコットが言うと村人達は顔を見合わせ、一人、また一人と、武器を下ろした。
「これは早とちりをしてしまって申し訳ありません」
体格の良い初老の男が代表してそう言った。
「何か困ってることがある。そういうことだろう?」
スコットが問うと村人達は少しだけ驚いた反応見せたが、すぐに暗い表情に戻った。
「盗賊です」
体格の良い初老の男が言った。
「村長、見ず知らずの旅の方に言ったところでどうにもならんですよ」
自棄になったかのような声が上がり、賛同する声が続いた。
閉鎖的なのか、いや、むしろ諦め半分のようだ。その声を聴いてエレンが進み出て言った。
「私達はあなた方を助けるために来たのです」
エレンへスコットへ、視線が向けられ、最後にネルソンに村人達の目は注目した。
「そこのアンタは強そうだな。もしかしたら盗賊王にも勝てるかもしれない」
どこからともなくそう言う声が上がった。
「盗賊王?」
スコットが問うと村長と呼ばれた体格の良い初老の男が頷いた。




