第四十七話 「邪悪なる像(二)」
スコットは驚きつつも転がって距離を取った。そして身を起こす。
台座の上の巨像の目が真っ赤に輝いた。
「ガーゴイル!? 間違いありません!」
エレンが声を上げた。
邪悪なる像は台座から下りると再び咆哮を上げた。
その両手が交差する。と、その形を取った黄色の光りが放たれた。
正面にいたネルソンが避ける。
彼の背後に聳える木々が真っ二つに切り倒されていった。
木々ですらこうなのだ。一見すればただの黄色の光りだが、これを喰らえば人間の肉体も容易く同じ運命を辿るだろう。
スコットはマグナムを構え、連射した。
弾丸が石像の表面を打ち砕く。
石像は石の翼を羽ばたかせ空へ舞い上がった。
スコットはすかさずマグナムで追う。エレンもライフルを撃った。
邪悪なる石像ガーゴイルは旋回しながら両腕を振るう。
するとあの黄色の光りの刃が現れ、こちら目掛けて雨の如く降り注いだ。
スコット達は回避した。周りの地面は刃の形に穿たれていた。
これを避けるのは神業だろう。スコットはそう判断すると言った。
「エレン、ライフルじゃ大したダメージは通らない! お前は神殿へ避難しろ!」
「で、でも!」
「悪いが自分の身を護るので手一杯だ! 聞き分けてくれ!」
スコットが必死に訴えると女神は頷いた。
「すみません、離脱します!」
エレンは神殿の中へ入って行った。
それを見届けてスコットは安堵した。
「来るぞ」
ネルソンが言い、上空を旋回するガーゴイルが刃を乱れ撃ってきた。
スコットとネルソンはどうにか回避した。
「だけど、これじゃあ防戦一方だ」
スコットが思わずそうこぼすと、ネルソンが弓矢を構えた。その長弓はハーピィを一撃で仕留めるほどの威力を兼ねている。しかし、ガーゴイルの石の身体に通用するかは分からない。
それでもネルソンは矢を番え弦を力いっぱい引いている。
スコットは彼に賭けた。




