表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
35/72

第三十五話 「アルヴィナ(一)」

「そうでしたか、ということは、志願兵の方々だったのですね」

 身なりが良く恰幅のある男は驚き感心したようにそう言った。

「志願兵?」

 スコットが問うと船乗りの男が答えた。

「件の魔物を退治に向かう勇者を募集してるんだ。これも何回目かは知らんがな」

 それだ。と、スコットとエレンは顔を見合わせた。

「どこで募集してるんですか?」

 エレンが問うと船乗りは答えた。

「総督府だ」



 二



 恰幅の良い男が総督府への道順を教えてくれた。

 大通りに戻り、そこを北上する。坂道が続き、やがて大きな建物が見えて来た。

 大きな格子状の門扉が閉ざされ、その前に門番が左右に立っていた。

「何か用か?」

 門越しに建物を眺めていると門番が尋ねて来た。

「志願兵だ」

 スコットがそう一言述べると、門番達は頷き合い、門を開いた。

「ここで待て、本日総督がお会いになるかは分からん」

 一人が建物へ駈け込んで行った。

 そして門番が戻って来て言った。

「総督がお会いになられるそうだ」

 三人は建物の中へ案内された。

 内部は静かだった。殺風景というわけでもない。所々に値の張りそうな壷や反物が飾られていた。

 二階へ上がる。そのまま門番の後に続いて行くと、ある部屋でその足が止まった。大きな扉であった。厳めしい面構えの見張りが一人立っていた。

「おう、そいつらかい、新しい志願兵は?」

「ええ、そうです」

 番人と門番がそう言葉を交わした。

「男二人はなかなかやりそうだが、お嬢さん、アンタも志願するのかい?」

 番人は困惑したようにそう尋ねた。

 すると、部屋の中から鋭い声が響いた。

「無駄話してるんじゃないよ。さっさと客人を部屋に通しな!」

 女の声だった。

「はい、お頭! じゃなくて総督! 今すぐお通しします!」

 番人は狼狽して応じる。そして扉を開いた。

 広い部屋だった。窓から日が差し込んでいる。テーブルと椅子があり、壁には数々の剣や盾が立て掛けられていた。

 窓の隣に大きな机があり、一人の人物がこちらを見詰めていた。

「ようこそ、アタシの部屋へ。アタシが、総督のアルヴィナだよ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ