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第三十一話 「首無しの騎士達(三)」

 ようやく一体斃したか。

 スコットは一息吐き周囲を見渡した。

 ネルソンと神父はそれぞれ敵と互角に渡り合っている。

 旅人達は数は減ったが十人ほどが遠巻きに敵を取り囲んでいる。そこにはエレンもいた。

 そして最後のデュラハンを相手にしているのは唯一の町の生き残りの男だった。

 奮起し、斧を何度も何度も亡霊騎士の剣と打ち合わせている。しかし、一瞬の隙から攻防が逆となってしまった。

 デュラハンの卓越した剣捌きの前に町の男は押されていた。

 エレンのことが気に掛かったが、助けに入るなら、まずはここだとスコットは思い、町の生き残りの男のもとへ飛び込んだ。

 剣が風の唸りを上げて男を追い詰めている。

 スコットはデュラハンの抱えられた兜首へ銃弾を放った。剣が素早く防御に動いた。そのため男を猛撃から救うことができた。

「助太刀するぜ」

 スコットが言うと、町の男はゼーゼー息を切らせながら屈み込んだ。

「すまん……」

 肩を上下させながら男はそれだけ言った。

 デュラハンが躍り掛かって来た。

 剣を一刀両断にし、薙ぎ、突く。

 スコットは紙一重でそれらをかわした。心臓に悪い一撃だった。

 と、その背が物置小屋の壁にぶつかった。

 デュラハンが剣を突き出す。スコットは避け、ふと思いついた時には木の壁を突き刺した敵の剣を小脇に抱え込んでいた。

 敵が力づくで引き抜こうとするが、スコットも全力で踏ん張った。

「今だ、やれ!」

 スコットが声を上げると、町の男は声を上げてデュラハンの懐へ飛び込み、気合の声と共に斧を振り下ろした。

 斧の刃は抱える兜首を叩き割っていた。

 また不気味な断末魔の声を上げて敵は消え去った。

「悪いな」

 町の男が言った。

「気にするな」

 スコットはそう言うと次は何処へ助けに入るべきか考えた。

 ネルソンは論外だとして、神父か、旅人の一団か……。すると町の男が言った。

「神父さんも頑張ってるが老体ではそろそろ限界だろう。悪いが、アンタ頼めるか?」

 熱く真面目な視線を受けてスコットは頷いた。

「分かった」

 そう応じると、町の男は声を上げて駆け出した。

「うおおおおっ! どけどけどけ!」

 エレンや旅人達が遠巻きにしていたデュラハンに背後から襲い掛かり、乱撃を放った。

 しかし敵もさる者、素早く振り返り剣を振るって攻撃を受け止めた。そうして男と首の無い騎士は打ち合った。

 スコットは、本当は一刻も早くエレンを助けたかったが、彼女を信じ、男の様子を見届けると神父のもとへ急いだのだった。

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