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第二十八話 「第四ステージへ」

 町の人々の遺体は様々な場所にあったが、多くは家屋の中であった。

 食卓には冷たくなった料理がそのまま並んでいる家が多く、その中で血にまみれ、一家は揃って殺戮されていた。

 さすがのスコットも、何度も老若男女、大人から子供の無残な遺体を発見する度に気が滅入りそうになったが、傍らでエレンが黙々と遺体を労わる様にして扱う姿を見て奮起していた。

 死人を乗せた担架を抱えて静まり返った町を歩み、北の方にある教会へ運んでゆく。旅人達が墓穴を掘り、隣町から駆け付けて来た初老の神父が並んだ遺体の前で経を読んでいた。

 その時、一人の男の死体が起き上がった。

「おお、これは!?」

 動揺する神父が声を上げる。

 ゾンビだ。スコットはマグナムを抜いて亡者に向けた。

「くそっ、一体奴らはなんなんだ」

 男はガクリと片膝をつくと呻き声を上げてそう言った。

 ゾンビでは無かった。生きていたのだ。

「すぐに手当てを!」

 神父が言い、旅人の一人が動いたが、男は頭を振った。

「俺は斬られてない。それよりも……」

 男は並んだ無数の亡骸を前に驚愕し、そして嗚咽を上げた。

「ちきしょう、町の人間全てじゃねぇか。奴らめ、今度来たら俺が仇を討ってやる」

「奴ら?」

 スコットは思わず尋ねた。

 涙を流しながら男が頷いた。

「昨日の晩、突然、町中に現れたあれは騎士だった。だが、揃いも揃って首が無かった。不気味な連中さ。甲冑姿で右手に剣を持って、もう片腕で、信じられねぇ、兜を被った頭を抱えてやがった。あれは一体、なんなんだ、チクショウ!」

「首無しの騎士……デュラハンかもしれません」

 エレンが小声でスコットとネルソンに言った。

「でも、この世界には存在させた覚えはありません」

「じゃあ、イレギュラーな存在ってことか?」

 スコットが問うとエレンは頷き、神の機器を見せたが、それは遠い場所を示す小さな矢印になっているだけだった。

「この町に反応は無いな。この点がそのデュラハンを指しているのかどうかも、怪しい」

「デュラハンは夜現れます」

 エレンが応じた。

「夜ね。出るか分からないが、ここで待ってみるか?」

 スコットが問うとエレンが頷いた。

 三人はこの凄惨な殺戮の場所で一晩明かすことに決めたのだった。

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