第二十七話 「町の異変」
キマイラを斃した後、神の機器は小さな矢印となって新たな方角を指し示した。
スコット達は矢印の示す方へと向かった。
機器に示される矢印の大きさはそのおおよその距離と比例する。小さければ遠くに、大きければ近くに、イレギュラーな存在がいることを現している。
森から街道へ戻り、道沿いに北上している。
早朝にゴブリンとキマイラ退治をしたため今は昼近くになっていた。
程なくして町が見えて来たのだった。
二
町に入った一行を出迎えたのは陰鬱な空気だった。
町の中には人の姿が無かった。
何かあった。
スコット達はそう気付いた。
そのまま静まり返った町を歩いている時だった。
通りから二人の男が、一人の人間を担架に乗せて運んで行くところに出くわした。
「来てみたらこうだったのさ」
こちらが尋ねる前に担架を抱えた先頭の男が言った。
スコットは担架に乗せられた人を見た。それは男だったが、既に息をしていなかった。
「どういうことですか?」
エレンが真面目な顔で尋ねる。
「俺達は外部の人間だ。たまたま今日立ち寄っただけなんだが、その時には既に町中、死体だらけだった。今はこうして俺らみたいな外部の旅人達が総出で死体を運び出し、供養するため墓場に運んでいるところなのさ。良かったらアンタ方も手伝ってくれ。墓場は町の北にある」
遺体を乗せた担架を抱えて男達は去って行った。
「装置の反応はあるのか?」
スコットは思い出して尋ねたが、エレンは頭を振った。
「まだ遠い位置です。少なくともこの町にはイレギュラーな反応は見られません」
「じゃあ、俺達が関わり合いになる問題じゃないわけだな」
「それはそうですけど……」
エレンは目を伏せたのでスコットはその心中を察して声を掛けた。
「まぁ、ひとまずは、俺らも遺体を探して墓まで持ってこう。訳を知った以上を素通りはできないもんな」
するとエレンは力強い表情で頷いたのだった。




