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第十一話 「殲滅戦(三)」

 大きな足が振り上げられる。

 スコットは飛び退いて避けた。直後、大地は鳴動する。

 彼が振り返ると、地面は大きく穿たれていた。

 こいつの歩幅はデカい。油断してると距離をあっと言う間に詰められて踏み潰されるだろう。

 スコットは素早く後退し、マグナムの引き金を引いた。

 一発、二発、三発、四発。敵の脅威に負けじと荒々しい音を当てて銃弾を敵の脚目掛けて撃ち込んだ。血こそ流れたが、敵は大した痛手を受けた様子も無く地を唸らせスコットに近付いて来た。

 そして大上段に棍棒を構える。

 スコットは逃れた。凄まじい音と共に大地が脈動する。今のがデカブツの本気の一撃だったのだろう。足で踏まれたよりも更に深くその先端は地面にめり込んでいた。

「スコットさん! 今です!」

 力と重さはあるが、緩慢な敵の動きを見定め銃弾を浴びせる。エレンもアサルトライフルで援護していた。

 その時、巨人がエレンの方へ向きを変えた。

「後退しろエレン!」

 スコットは自分の方に敵の注意を引き付けるためにマグナムを連射し続けた。

 エレンはアサルトライフルを撃ちながら下がっている。しかし、巨人はスコットの思惑通りにはいかず、エレンを追い続けていた。

「くそっ! こっちだ! こっちに来いよ!」

 スコットは慌ててマガジンを装填しながら銃を撃ち続けた。

 その時、エレンが転んだ。

 巨人は棍棒を振り上げた。

「まずい!」

 スコットは駆け出した。弾幕を張りながら敵に接近して行く。

「デカブツ野郎! こっちだ! お前の相手はこっちなんだよ!」

 だがサイクロプスはやはり銃弾を受けても何の反応を示さず、ついに棍棒を振り下ろした。

「エレン! 立て、逃げろ!」

 スコットが声を上げた時、寸前のところで影が割り込み、エレンを抱えて逃れ出た。

 ネルソンだった。

 棍棒が大地を揺るがした。

 スコットは深く安堵の溜息を吐いた。

 だが、ネルソンと、エレンへ執拗に敵は迫ってゆく。エレンが居てはネルソンも動き辛いだろう。スコットは積極的に敵に近付き銃を撃ち続けた。

 その時、悲痛な咆哮を上げて怪物が振り返った。

 何度も撃ち続けてようやく痛手を与えることができたらしい。

 しかし、その痛みが敵を怒らせたようだ。何と次の瞬間巨大な身体が猛進してきたのだった。

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