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第十話 「殲滅戦(二)」

 朝日が差し込んだ頃、ようやく怪物オーガーは掃討された。

「終わったみたいですね」

 エレンがスコットの側に来た。

 村人達も安堵の息を吐いていたが、焼けて倒壊し滅茶苦茶になってしまった家屋を見て悲痛な溜息を吐いていた。

「それで神様、これで俺達は任務完了か?」

「そうですね」

 スコットの問いにエレンが頷いた。

 その時だった。

 大地が僅かに揺れた。

 気のせいかと思ったが、一定の波を打って揺れ続けている。

「……来るぞ」

 いつの間にか近くにネルソンが来ていた。陽に照らされた彼の姿はやはり悪鬼さながらの血みどろの有様であった。全てが敵の返り血なのだろう。

 そんなことを思っていると、オーガーとは違う野太い咆哮が村中に響き渡った。

 各々帰途に着こうとしていた村人達が恐怖で足を止めていた。

 大地の揺れは大きくなり、そして巨大な新たな脅威の姿が露わになった。

 スコットは驚愕した。

 何てデカさだ。

 現れたのは三階建ての建物よりも大きな化け物だった。

 頭から二本の鬼の様な角を生やしている。手にしている丸太も太いものだったが、それよりも目立つのが顔の中央にある大きな一つだけの目だった。

「……サイクロプス」

 静かにネルソンが言った。

 巨人サイクロプスは咆哮を上げた。耳を塞ぎたいほどの凄まじい声だった。

「皆さん、逃げて下さい!」

 エレンが声を上げて振り返ると、村人達は慌てて姿を消して行った。

 サイクロプスが丸太の棍棒を振り上げた。

 それは焼け残った家屋を粉砕しつつ薙ぎ払われてきた。

 三人は飛び退いて避けた。

「ちっ、この野郎!」

 スコットは素早く起き上がり大型拳銃、通称マグナムを構えた。

「私にライフルを貸して下さい!」

 隣でエレンが言った。

「いい。アンタは下がってな」

 スコットが言うと、エレンは強い眼差しを向けて言った。

「私は神です。この世界の主でもあります。イレギュラーな災厄から人々を救う責任があります!」

 先程のことを思い出した。現実を呑み込めなかった俺に代わって、この女神はアサルトライフルで窮地を救ってくれた。……ライフルの扱いは問題なさそうだな。

「オーケー、神様。自分の身は自分で守れ。その意味を込めてコイツを貸す」

「ありがとうございます!」

 エレンは歓喜しライフルを受け取った。

 サイクロプスが咆哮を上げる。

「来いよ、デカブツ! こいつを嫌というほどぶち込んでやるぜ!」

 スコットは巨人の身体にマグナムを向けてそう言った。

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