表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/8

平原で ポカポカ陽気 眠たいな

僕は薬屋を出た後、門の前まできた。どうやら出る側も少しだけ並んでいるが大体の人間がカードを掲示して出ていくためなのかかなり回転率が速くすぐに僕の番まで回ってきた。僕はカードを懐から出し、門番に掲示した。


「冒険者ですね 通っていいですよ」


僕はカードを仕舞うと平原をのんびりと歩いていく。




門かそこそこ離れた場所についたが依頼内容のホーンラビットらしき魔物の姿は確認することができない。僕は更に街から離れた場所を探そうと思った。そのときだった。


「な…なんだ?」


僕がホーンラビットを探そうと思い、歩き始めたところで右足が予想してた場所を踏めなかったのだ。見ると右足は穴らしき場所を踏んでいたようだ。僕は穴から右足を抜き、穴をよく見る。何かの生き物が掘り進んでいるような穴だ。


「もしかして、ホーンラビットが掘った穴か?…でも兎が地面を掘るんだろうか」


僕は今度は顔を近づけると穴の中は凄い獣臭いにおいがした。今度は耳を澄ましてみると穴から…何も聞こえなかった。獣の臭いがすることから何かしらの生き物がこの穴の先にいるんだろうことがわかる。


少し賭けだけど穴から少し離れた位置で穴から何か出てくるのを待ってみるか…僕は巣穴から20mほど離れた位置にうつ伏せになりなるべく呼吸を静かにしながら穴を眺めることにした。


彼是、10分ほど見ているが何もでてくる気配はない。僕はもう少しだけ粘ってみようかなと思うと穴の中から何か尖った物が出てきている。僕は息を潜めながら穴を窺う。

そのまま見ているとその尖った物の先が出てきた。兎だ…兎に角が生えている。大きさは日本で見たことある兎なんかより一回り・・いや二回りは大きい


情報通り、兎に角が生えた姿だ。どうやら、先ほどの穴はホーンラビットの物だったようだ。ホーンラビットは周りをきょろきょろと確認しているがこちらには気づいていないようだ。

僕はなるべく動かないように心掛けているとホーンラビットは巣穴から離れていく。僕は先ほど穴を観察するより更に距離を空けて追いかけるとホーンラビットはとある場所で止まった。


ホーンラビットは周りを少し確認すると草を食べ始める。他の草と違って葉の形が違う形をしている気がする。ここからでは遠くてしっかりとは確認できないが、僕はゆっくりとうつ伏せの状態から四つん這いになり少しづつ距離を詰めていく。


ホーンラビットまでの距離が20mくらいまで近づいたので僕はゆっくりと立ち上がり、杖を構える。杖に魔力を流し、杖から魔法陣を発生させる。狙いはホーンラビットにまっすぐ飛ぶように僕は魔法の着弾点を指定する。


「『風の矢』」


「ピギィッ!」


魔法陣から風で構成された矢が発射される。兎は風を切る矢の音で何か接近に気づいたのかこちらを向くとちょうどその顔に『風の矢』が刺さった。ホーンラビットの頭が軽く跳ね上がり、そのまま地面に倒れる。僕は少し離れた位置からホーンラビットがしっかり死んでいるか確認し、『風の矢』によって空いた穴から血が流れ続けている。ゆっくりと近づき、その体に触れるとまったく力を感じない。


「『収納』」


僕がホーンラビットに触れながら老婆に教わったように指輪を使うための魔法を唱えると目の前のホーンラビットの下に魔法陣が出現して、指輪に収納されていく。

僕は無事に収納されたのを確認するとその場を後にし、先ほどのホーンラビットを見つけた穴のような物を探すことにした。





僕の目の前にはホーンラビットが1体、また草を食べている。

あれから穴を探したのだがなかなか見つからないと思っていたところにこの草を食べているホーンラビットを発見した。僕はゆっくりと近づき、再度杖に魔力を流し、魔法陣を発生させる。狙いを定めて…


「『風の矢』」


「ピギッ!?」


魔法陣から発生した風で構築された矢はまっすぐホーンラビットに飛んでいく。

この個体はどうやら当たるまで気づかなかったようで一本の『風の矢』がホーンラビットの胴体に刺さった。だが、ホーンラビットは地面に倒れたが起き上がった。だけども急いで逃げるだけの体力はないのかその場からゆっくりと離れようとしているが僕はすかさず、杖に魔力を通し魔法陣を発生させ、狙いを定める。


「『風の矢』」


二本目の『風の矢』がホーンラビットに突き刺さる。二本目が刺さりホーンラビットはその場で倒れ、動かなくなる。僕はゆっくりとホーンラビットに近づくとこちらも死んでいることを確認し、『収納』する。


それにしてもホーンラビットはどうやら穴場を探して見つけるより、このホーンラビットが食べる草を探して、そこでホーンラビットを探すほうがよさそうだ。足元にあるハートの形をした草が先程ホーンラビットが食べていた草だ。僕は残り3匹を狩るためにホーンラビットが食べるこの草を探し始めた。





あれから数時間経過し、餌場を見つけて待機してホーンラビットがきたら

ゆっくりと近づき『風の矢』を放つことを繰り返し、無事に追加で2匹のホーンラビットを狩ることに成功した。僕はまた別の場所の餌場に移動し、うつ伏せになりながらホーンラビットを待つ。…それにしてもあれから結構時間が経ったのか太陽はもう真上まで来ている。日光と平原の草のベット…少しだけど吹く風がとても心地よい…


あまりの気持ちよさに眠くなり軽く目をつむりかけたが軽く頭を振り眠気を覚ました時だった。目の前に尖った棒が出てきた…僕は慌てて持っていた杖でその物体を殴った。


「ピィギッ!」


微妙に固い物を殴りすぐにあたりを確認すると少し離れたとこにホーンラビットが見える。どうやら、先ほどの尖った棒はホーンラビットの角だったようだ。

危なかった、あと少し遅かったら頭にホーンラビットの角が刺さってるとこだった


目の前のホーンラビットは杖で殴っただけでは倒せずゆっくりと起き上がり、こちらを威嚇している。僕は杖を構えると魔法陣は発生させずに待ち構える。

ホーンラビットはこちらに向かって真っすぐ飛び込んでくる。僕の少し前らへんでジャンプし、その尖った角を僕に突き出してくる。僕はその突進をよけ、すぐに魔法陣を発生させる。ホーンラビットは攻撃を避けられ地面に着地し、こちらに振り向いてるところだった。僕は振り向き終わる前に魔法を発動させた。


「『風の矢』!」


魔法陣から『風の矢』が発生し、振り向きかけていたホーンラビットの頭にちょうど刺さった。ホーンラビットはその場に倒れ、動かなくなった。

倒したの確認し、僕はホーンラビットの死体を『収納』するとその場に座り込んでしまった。さすがに今のは焦った…僕は一呼吸置くと地面から立ち上がった。


とりあえず、これで依頼に必要なホーンラビット5匹の討伐が終わったことだし、街に帰るとしよう。ホーンラビットの解体はギルドの解体代行を利用し、やってもらい。それで角を5本解体してもらえば、依頼は達成だ。

僕はゆっくりと街への道を戻っていく。






街へ着くころにはだいぶが日が傾いていた。これは少し急いだほうがいいかもしれないと思ったが門の前に到着すると昨日、街に入るときよりは人の量が少なかった。僕は列に並び少し待つと僕の番になり、冒険者カードを掲示すると門番は入っていいというので軽く会釈をし、街の中に入った。


少し疲れたけど僕はギルドへ直行することにした。

ギルドに到着すると行列ができているがやはりアンリさんの列だけは少なかったのでアンリさんの列に並ばせてもらった。すぐに僕の順番になった。


「おかえりなさい 早速ですがカードの掲示をお願いしていいですか」


「お願いします」


「はい、有難うございます 依頼の報告ですか?」


「あ、その前にギルドの解体代行をお願いしたいんですがいいですか?」


僕は職業に狩人がない為に解体ができない。それに元の世界でも解体なんてしたことがない、精々魚を料理の為に捌く程度だ。なので、ここはギルドの解体代行をお願いし、討伐証明に必要な角をはぎ取ってもらうことにした。


「はい、では私の手が空いているので私が解体いたしましょう」


アンリさんがそういうので後ろを見ると本当に僕しか並んでいなかった。


「じゃあ、おねがいしていいですか?」


「はい、ではついてきてください」


アンリさんは受付に離席中と書いてある小さな看板を置くと受付から出てきて、ギルドの外へ出て行く。僕はその後についていった。

















評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ