ベーコンは 手作りがいい おいしいぞ
昨日はベットに入ったら急に眠気がきて眠ってしまった。色々あって疲れていたからかな…僕はベットから起き上がると昨日はそのまま眠ってしまったためかローブに皺ができていたので軽く叩いて目立たない程度に直しておいた。
明日から寝るときはせめてローブは脱いでから寝よう。
僕は眠い目をこすりながら鍵がローブのポケットに入ってるのを確認してから部屋の鍵を閉めて食堂のある一階へと向かった。
下の食堂へ着くとすでに数人の人間が食事を行っていた。他人がご飯食べてると非常にお腹が減ってくるのは僕だけだろうか。僕はテーブルの上に鍵を置くと僕に気づいたミアさんが朝食を乗せたプレートをもってきた。
「おはよう 昨日はよく眠れたかい」
「はい、おかげ様でぐっすりと」
「それは良かった だけど次からせめてローブは脱いでから寝ることをおすすめするよ」
ミアさんはそういうと手に持っていたプレートを僕の座っているテーブルの上においた。というかやっぱりバれてたか。まぁ、微妙に皺が残ったままだからみたらわかっちゃうか…さて、今日の朝食はなんだろうかとテーブルに目を向けてみると今日の朝はご飯のようだ。
ご飯と目玉焼き、それとベーコン・・・これは何をベーコンにしたんだろうか汁物として昨日出たコンソメスープがついている。ただ、昨日の具は豆だったけど今日の具はキャベツが入っている。朝から食欲が湧く食事だ。
僕はまずは一番気になるベーコンから手を付ける。僕はベーコンを口に入れると日本で食べていたベーコンまんまの味が口に広がる。僕はすぐさまご飯を駆け込みベーコンをご飯でくるむようにしてよく噛む。
口の中にご飯の甘味とベーコンの味付けに使われてる塩と肉から出る油がご飯によく絡む。僕はそれを飲み込むとコンソメスープのキャベツをさらに口の中に放り込む。口の中に残ったご飯の甘味と混じっておいしい。朝からコンソメスープの濃い味が口の中に広がる。
キャベツはシナシナになるまで煮込んであるのかよくスープを吸っている。そこから先はもう止まらなかった。気づいたら今日も完食していた。
僕はおいしかったですといい、食堂を出る頃には食堂は結構な人数で埋まっていた。
ちらりとどんな人がいるかと見渡せばだいたいが複数人で食事を取っていた。
格好からして冒険者なのだろうかと思いながら、複数人で一緒にいるということはゲームでよくあるPTとかチーム等といった物かもしれない。僕はそんなことを考えながら自分の部屋へと向かうと受付で座ってるトマスさんと目が合った。
トマスさんはおはよう、昨日はよく眠れたかと聞いてきたので僕はおかげさまでと返事をした。そうだ、どうせだしトマスさんに聞いておくことは聞いておくとしよう。
「トマスさん、今朝のあのベーコンは何のお肉ですか」
「んー、あぁアレはプレインピッグの肉だな ある村の平原で育ててる肉を燻製にした奴だ」
「魔物の肉ではないんですね」
「そうだな 魔物の肉もうまいがあれは飼育して数が増えやせないからな」
魔物は飼育して数が増やせないってことは生き物として生まれ方が違うのかもしれない。ここで、そうなんですねとか迂闊に言わなかった自分を褒めてあげたい。
あ、でも閉鎖的な村から出てきたってことにしてるからいっても何いってんだこいつとは思われなかったかもしれない。
「そういえば、お前さん魔法使いなら収納の指輪はもってるか」
「収納の指輪ですか すいません、持ってないですね」
「やっぱりか、指輪はつけてるみたいだが収納の指輪じゃないような気がしてな
魔法使いならアレは持っておいたほうがいいぞ ないとあるとじゃ大違いだからな」
「そうなんですね」
「あぁ、指輪に物がしまうことができるアイテムだからな商人たちの間では個人で魔法使いを雇ったりするぐらいだからな 冒険者たちの間でもほとんどの魔法使いがつけてるだろうなアレがあれば魔物の素材を簡単に運べるし、指輪の中の時間は普通より遅いからな」
収納とつくだけあってたぶんインベントリのようにアイテムをしまうことができるアイテムなんだろうと思っていたが指輪内の時間が普通より遅いってことは賞味期限とか延ばしたり、飯が冷めるまでの時間が伸びたりするってことかな・・・なんと凄いアイテムなんだろう…インベントリっていう時間停止の物があるからいらないけど冒険者じゃないトマスさんが気づくくらいだから冒険者としては必須なアイテムなんだろう。というかほとんどの魔法使いがつけてるなら、ここは入手しておいたほうが正解かな。
「トマスさん その指輪はどちらにいけば買えますか」
「収納の指輪は魔具屋に売ってるよ 場所はギルドで聞いたほうがいいかもなどうせギルドに向かうだろうし、ここで俺に聞くよりはそっちのほうがいいだろう」
「わかりました ギルドで聞いてみますね・・・そういえば机の上に置いてあったアレってなんですか」
実際、昨日は眠くて真面目に部屋の中を見てないけど机の上のアレは少し覚えてる。何の道具かわからないから触ってなかったけど聞いておいたほうがいいだろう。これからあと9日間はお世話になる宿なわけだから。僕の質問にトマスさんは首を傾げていたが思い当たったのかあぁといった感じで口を開いた。
「そうか、村にはなかなかないもんだからな アレは魔法のランタンっていう魔具なんだ」
「魔法のランタンですか」
「あぁ、中に魔石が仕込んであってな それを媒介として明かりがつく仕掛けらしい…俺も魔具師じゃないから詳しいことは何とも言えないが使い方は上部分のつまみを右回りで明るくなって左回りすれば消える奴が置いてある。自由に使ってくれて構わないがつっけぱなしで出かけるようなことはしないでくれよな。一応、魔石も消耗品だからな」
魔法のランタンか、これもゲーム内じゃなかったアイテムだな。やっぱりゲームの中じゃなくて異世界にきたって感じかな、僕がゲーム内で作ったアイテムは戦闘用や補助用のアイテムばかりでこんな生活に役に立つ道具はなかったな。
それと、魔石か・・・ちゃんとにあるんだな、これも覚えておこう。
僕はトマスさんに感謝の言葉をつげ、部屋に戻る。部屋に戻って一応教えられた通り魔具を操作してみると本当に明かりが点いたり消したりすることができた。僕はしっかりと消してから杖を持ち部屋の鍵を閉めギルドへ向かった。この際に出かける時にトマスさんに鍵は置いていけよと言われたのは秘密である。あと部屋の掃除をするそうなので見られたくない物がないか聞かれたが僕は杖を見せ、荷物はこれだけですよと言っておいた。
朝の街並みを見ながら歩いていると、色々なお店が目に入ってくる。朝からやってる料理屋は少ないのかほとんどの料理屋の扉に準備中の文字の札がかけられていた。逆に営業してるのは食材関係のお店だ。野菜、肉などがメインであとは穀物などを扱っている店が開いている。魚屋も開いているが扱っている魚の種類は少ないようだ。どこのお店にもお客さんがいていろんな品を持ってお店の人間に話しかけている。
先ほど通ったお肉屋さんの前ではどこかの料理屋の方が今日の分のお肉をお願いしますといったような感じで話しかけていた。いやお肉屋さん以外でも同じように購入してる人たちがいるが料理屋の人たちだろうか、買う量がすごく多く、大きな袋詰めされた物を持ちながら店から店へと歩いている。僕はそんな光景を見ながらのんびりとギルドへ向かって歩いていた。
ギルドに着くと、予想以上に人が少ない。ただ受付嬢たちとなにやら話し込んでる冒険者が多く見られる。僕は受付を見回すと昨日、僕を受付てくれたエルフ男性が何やら書類らしき物を処理していた。昨日も受付をしてくれたし、向こうも覚えていてくれればスムーズに登録が終わると思い、僕は彼に話しかけることにした。