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出会い
秋の風が肌寒く感じる朝、高校2年生の黒崎快斗は学校へ足を運んでいた。彼こそ、この物語の主人公にして、極悪な人間なのである。運動は人並みだが、成績は最悪で、得意科目の数学以外は偏差値40を下回っている。
そのくせ他人を欺いたり、いい話で人を騙す能力に長けているのだ。詐欺師という言葉が日本一合っている高校2年生だろう。ある日、彼が家に帰ると、黒い封筒がポストに入っていた。開いて読んでみた。内容はこうだ。
『この封筒を開いた瞬間からあなたに死神ゲームに参加する権利が与えられました。逆に言うと、拒否権はございません。内容とゲームの開催場所は後日お知らせいたします。』
「誰かのイタズラかな。こういうのはあまり信じないのが一番いい。」そう言って快斗は封筒を捨てた。「暇だしゲーセン行くか」靴を履き、ドアを開けた瞬間、この世のものとは思えない悪魔のようなものが快斗の前に立ちはだかった。