表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
少尉ですが何か?  作者: 背徳の魔王 人と話すうちに性格から行動パターンを読み取り。隠された本性を暴き。時に未来を予言することからリアル魔王と呼ばれ。材料と調味料の分量で味がわかるので、絶対味覚と本人が詐称する一般人
93/99

影の王


 しばらく時を置いて、古城の謁見の間にて、実に数年ぶりに再会する。大切な姪であるリルムとの再会を心待にしていたダレークは。


 ほんのりと柔らかな笑みを浮かべていた。 




 程なくして、白銀輝く髪をなびかせて、生まれついての女王である。魔王の愛娘が、晴れやかな微笑みを称えて、王座に現れた。傍らには長年側で見守り続けた少年がいて、その少し後に。ハッと目を引く金髪の少女が、つき従っていたあれが噂のレイラ・バレス(オールラウンダー)候補者か。その後ろには黒髪の若武者姿の豊満な美しい女性、栗色の小柄な少女、影の気配を持った女性、何れもすさまじいまでの実力者達である。いやリルム様に劣らない覇気を感じていた。


「ほう」


 思わず感嘆のため息が漏れる。それはこの場にいた誰が着いたため息か、いやこの場にいた皆が吐いた可能性すらあった。


ダレークにとっては、実に久しぶりに感じた。ワクワクであった。


「姫様。お久しぶりです」 


 万感の思いを噛み締めるように錆のあるテノールが、古城の王座の間に響く。


「ええ。ええ!?。ダレーク。良かった……………………」


 リルムは、ダレークが抱えていた闇を知っていた。それだけに柔らかな笑みすら浮かべていた様子に。ほっこりと胸が温かくなっていた。


「こうして直接会うのは初めてだね。気配は知っていたけど。貴方がリルムちゃんの叔父さんですね」


真っ直ぐな眼差し。一見柔和であり、街中であっても優しそうな少年のイメージを抱くことだろう、だが一度敵に回れば、容赦なく敵を攻撃できる素早い判断と。高度な治世を理解できる頭をもち、偉大なる父王オーラルすらも。越える逸材。それが我々の大切な姪が選んだ相手であった。


「そうだな、改めて初めましてシンク・ハウチューデン殿下、……………オレ達の大切な宝石を頼む」


静かに、それでいて思いを込めた黙礼に。リルムは頬を赤く。シンクは破顔していた。簡単に言えば、気に入ったのだダレークと言う男を。古代の民のため。見た目は青年であるが、非常に老成した雰囲気を醸し出す。苦労人らしい空気すら纏う男を、  


「はい」


 にこやかに弾んだ返事をしていた。

婚約者達と供に、しばらく和やかな話が弾んだ。






◆◆◆◆◆◆◆◆◆






 ダレーク王を交えて。シンク達は改めて、なぜ今の戦乱時期である北大陸を訪れたか、その理由を語る。


「成る程…………………。ミリアーナが多分出迎えに出たと思うが、ミリアーナや属性竜王から、話は聞いていた」


精霊と竜の成り立ち。神代の時代、神々との戦いで失われた存在精霊が、竜となっていたこと。今北大陸で起こっている竜の国が滅ぼされたこと。ダレークがシンクに語っていた。


「それでは………………」


「国王夫妻の死亡が確認された。レブラント(荒くれ)含めた。竜の巣にも。竜はいなかった。五大竜王それに竜の卵。幼竜は念のため別にしていたので助かったが………………」


 重々しい空気が流れた。相手は精霊王を解放して、数多くの精霊すら従えた存在。そんな存在が戦乱の世に放たれている。改めて危機感すら覚える。


(これは思ってたよりも…………)


 リルムちゃんの前後策が有効だったと理解した。


(それよりも放たれている精霊王が二体いる可能性がある。ゼンは大丈夫だろうか?)


 自分と同じく才能に恵まれた同年代の友人王を心配する


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ