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少尉ですが何か?  作者: 背徳の魔王 人と話すうちに性格から行動パターンを読み取り。隠された本性を暴き。時に未来を予言することからリアル魔王と呼ばれ。材料と調味料の分量で味がわかるので、絶対味覚と本人が詐称する一般人
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閑話中立ですか何か?

プロローグ




━━━東大陸、ギル・ジータ王国、



若き王である。ギル・エバーソンは、ゆったりした、黄色を主体とする。法衣を僅かに着崩して、憂いをたたえ、悲しみの光を瞳に宿している。

「陛下、急報です」

慌ただしく、部屋に雪崩れ込んで来たのは、サミュ・リジル宰相である。当初色々と影口を言われていたが、女性ならではの柔らかさと、芯の強い、粘り強い外交は、定評がある。

「聞こうサミュ」

藤の編み上げ座椅子で、だらけていたエバーソンは、座り直して、自らの手で、冷たい薬茶を入れてやる。

「ありがとうございます」

今年は妙に暑いと。人々の口に上がるほどの異常気象である。

長く香辛料で、財をなす。ギル・ジータ王国にとっても大問題である。

近年果物、野菜の品種改良して、来年には、最初の収穫がある。

この冷たい薬茶は、北大陸で、栽培されるお茶の葉っぱを、輸入して、国内栽培した物で、エバーソンが広めた飲み物だ。

「リドラニアの吸血鬼を、オーラルさんが滅したと」

「ほう……、流石はオーラル」

にっこり、日焼けした顔に笑みが広がる。

エバーソンに同意の笑みを向けたが、ふっと何かを思い出して、沈鬱に顔を曇らせた。

サミュの様子に気付き、お代わりの薬茶を継ぎ足して、続きを促した。

「ありがとうございます。南大陸で……、気になる動きが、ありました……」

今から半年前に。ギル・ジータ王国は、中立国となると表明していた。

そこには色々な理由と利権が存在していた。

今まで━━、北大陸との交易の窓口には、ラトワニア神国の太陽神殿が、一手に扱っていたため、北大陸の交易品は、多額の課税がされ。我が国でも高値で取引されていた。エバーソンは、オーラルを通じて、レイナ・フォルトと知り合い、密かに、交易を行っている。


魔王ピアンザ、太陽神殿に知られることなく、交易を可能に出来たのは、エバーソンが独自に、光の民の遺産を、海中洞窟から掘り出して、海中船を使えるようにしたのが大きい……、


古代の技術を直す事が出来る国がある。ギル・ジータとだけ、交易があるその国は、

━━遥か昔、

中央大陸があった時代より。

変わった国と知られていた。

古くは光の民と呼ばれる。古代の民エルフ、彼等の研究から、成り立った、ハーフと呼ばれた者たちが作った変則的な国で、造船と機械の国ジエモンといい、珍しくも世界で唯一。魔法使いが皆無であると言われていた。また国民の9割が、何かしらの技術者か、職人である。

形式的に国と呼ぶが、大きさは、大きな町くらいしかないが、現在島国の沖合いに、移動船国の残骸があり、新しい船の建造がなされてるが、膨大な資金が掛かるため。圧倒的な不足と言われていて、噂を聞く限り。遅々と進んでないと耳にしていた。



━━数年前……、とある事件を通じて、ギル・ジータ王国で見つかった。古代の遺跡にあった、海中船を、使えるようにしてもらった効果は、ギル・ジータ王国の交易国としての地位と、中立国と宣言出来る力を与えていた。エバーソンは、潤沢な資金を使い、レオール連合が求める。塩、麦含めた食料、香辛料を送り、変わりにレオール近郊で手に入る。銀や希少な鉱石等、海中船で一月に1度ほどのペースで、交易を行っていた。

サミュから渡された。レイナ宰相からの親書に、魔王軍との近況等、貴重な情報が含まれていた。


明日出港させる海中船で送る。品目を確認してから、オーラルの近況をしたため。オーラルからのプレゼントである。南産の貴重な砂糖を、品目に増やしてから、サミュに命令書を渡した。「聖帝ナタク・レブロ……」

真に、魔王と呼べる男であるが……、ナタクに付けた密偵が、惨殺されたと、報告がある。身分を偽り。魔王に従う理由が全く図れない……、



それに…、

━━当時の出来事を思い出す。



異変を察したエバーソンは、愛用の二本の剣を手に、外に飛び出していた。外にでるや血の匂いをかぎとり……、胸騒ぎを覚えて、急ぎ風の魔法を使い、下に飛び降りた。「ハッ!、やあ」

落下スピードを殺しながら闇を、切り裂いた、すると……、闇の中から。浅黒い肌を露に、痩身の男が、驚きに眼を開く、

「ダーク?」

エバーソンの呟きに。ふっと表情を殺して、いきなりエバーソンに連撃を見舞う。咄嗟に細いナイフを俯瞰で見て、いなしながら、ナイフで削ぐように、意識の外から、毒塗りのナイフが、掠める。

数度の攻防で、ダークのナイフが、柄の部分残して、折れ飛んだ……、素早くエバーソンはダークから。間合いを取り、既に準備していた。気圧を変化させる魔法を使い、ダークの投擲武器の間合いを外させた。

驚きに目を開くダーク、その隙に、切り下ろし、足切り、身を投げ出し飛び込むように、膝を狙う、

カツン………、金属音がして、刃が、腕に弾かれる。独特の呼吸音、見たことの無い歩方、長い袖から、手甲と呼ばれる。防具が覗く。舌打ちしたい気分である。唸りを上げて、手首を狙う蹴りを、半身下がりながら、その足を切り裂いた。

『ムッ硬い……、足にも防具があるのか』


裾を切り裂いたが、防具を確認して、驚きながら、僅かに飛び離れたエバーソンを。ダークは見逃さず。追撃するように、連続蹴り、素早くて重い裏拳打を、ギルは両腕で防ぐ。

「くっ……」

追撃に備え、素早く身構える。

しかし……辺りから気配が消えていた。

「逃げたか?、いや見逃されたか……」

舌打ちしながら、逃がしたことに、怒りを覚えた。

「強い……、」



━━数年前。ギル・ジータ王国を、激震が走る。

エバーソンはダークと思われる敵と好戦してる間に。王族はエバーソンを残して、暗殺されたのだ……、一夜にしと、エバーソンは国王になることを望まれた。

内外的にも。早急に王を立てるしかなかった。

━━何もかもが苦痛……、利権を獲ようと、欲望を秘めた人間の恐ろしさ、エバーソンに自分の時間はない、ただ……1人の公人としての立場が求められていた。

そして……周りが、最初に求めたのが、エバーソンに早く子供を作らせるため、自分の足場を拡げるためにと。……娘をと、露骨に毎夜、会合と言う名の夜会が行われた。


嫌気がさしたギルは、護衛騎士だったサミュ・リジルを強引に宰相に就任させた。呆れる周囲を他所に、本人すら気付かない才能を開花させたサミュは、周りの悪意ある。欲望を抱く敵を的確にいなして、サミュは粘り強い交渉を重ね。エバーソンの負担を減らしてくれた。

その時自分は気付いた。今まで何もかも知らなかったことを。王に祭り上げられても所詮は、ただの人間であることを認識した。そして理解した。人々が求めるのは、平和だと━━それに気付いたエバーソンは、自分の国を守る手段を探すことにした。



その時から密かに、オーラルと手紙のやり取りをしていた。オーラルは、一つの策を示した。


━━中立国に、ギル・ジータ王国を移行させて、交易国としての地位を固めること。その為に必要な人脈もオーラルが用意してくれた。迷うエバーソンは、内密にサミュと相談を重ね。そして方法を思い付く。



古代遺跡で、脱出に使い密かに持ち帰った海中船を思い出したのだ。

前国王の伝を使いきり、造船と機械の国ジエモンの長サノエと会合した。


それから半年とせず。ジエモンのサルベージュ船を借りて、三隻の海中船の発掘に成功した。

ギル・ジータ王国は、四隻の海中船を所有することになる。

通常の航路は天候に左右されるが、海中は海上とは天候が悪くともある程度海流の流れが違う。新たに海中地図制作と同時に、海流を計算に入れた航路を見いだして、船乗りの訓練など、やることは山積みだった。



━━まずは世界情勢を調べるため密偵を育て、世界中に派遣した。

海中地図が出来たのは二年後のこと。その年魔王軍が、北大陸に向け、進軍したことを知る。


━━最悪だ……、


全て、水泡に帰すかの瀬戸際である。

頭を抱えたエバーソンに、レイナ・フォルト嬢から、親書が届いた。

「おい、サミュ!こいつを読むんだ」

興奮したり、落ち込んだり忙しい幼馴染みに、些か呆れながら。渡された手紙に、眼を通した。

「まさか北大陸に国が?、臨時政権が……、まさかオーラルさん、これを見越してたとか?」

「いや流石にそれは無いと思うぞ~」

いまいち自信なさそうに、首を振っていた。自分で言ってて、あのオーラルだ、あり得そうな予感がした。



━━北大陸に。レオールという国が作られ。レイナ嬢が、宰相となった。


それから2ヶ月後……、正式に海中船を用いた、最初の交易が、無事成功を納めていた。


━━翌月ギル・エバーソンは、アレイク王国・ターミナルの街にて、土竜ギルドと、オーラルのつてで契約を結んでいた。

瞬く間にギル・ジータ王国の事業が拡大していき。莫大な利益を上げていた。僅か数年で、中立国と宣言したエバーソンの見事な采配で、強国の仲間入りを果たす。

「オーラルの言う通り……、力があれば、国も、民も守れる……、やるよオーラル、魔王とだって渡り合うさ……」

エバーソンは、王として、来るべき大戦に備える。





エピローグ




ギル・エバーソンは、自国の民を守るため、友の期待に答えるため。王の戦いを繰り広げ。

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