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少尉ですが何か?  作者: 背徳の魔王 人と話すうちに性格から行動パターンを読み取り。隠された本性を暴き。時に未来を予言することからリアル魔王と呼ばれ。材料と調味料の分量で味がわかるので、絶対味覚と本人が詐称する一般人
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閑話軽い男ですが何か?


━━今から数年前。オーラルが、カレイラ師団第1分隊に、入隊して、間もなくのこと……。

━ミレーヌ皇女護衛と、名目上、任に着いていたのだが……、

無事。皇女の馬車を、東の国境にある。城塞都市ベセルまで、空の馬車の護衛の仕事を終えた、第1分隊は、フロスト騎士団の代わりに、東の国境付近の小さな村を、見回る任に着くことになった、徐々に変わり始めた、第1分隊の面々の分岐点となった、事件がある。



━第1分隊は、古い、ホロのある。馬車をフロスト騎士団から、借り受け、オーラルが手綱を操り。山間の村に着いたのは、

━ベセルを出て10日が過ぎた位になる……。


小さな村は、何処にでもある。素朴な。朗らかな笑みが、とても似合う住人逹。優しい村長で、パン屋の主から、駐屯所を案内されて。素朴な印象に化けた娘レイカ、鼻の下を伸ばしたカールの脇腹を、スタッフの先で、ダメージを与える瞬間。レイカが見せた、冷たい目をオーラルは見逃さず。真実を理解したのは、夜中のこと、

「あっあんたね……、あの僅かな視線で、気が付いたっての?」

夕食に食べたパンに、睡眠薬が混ぜられてたのに気付いた、オーラルは、一人だけパンを食べず。夜陰に紛れ。パン屋の娘レイカが、動くのを待ってた、背後を取られて、青ざめるレイカに、肩を竦めながら。

「黒衣の一族だな?」

あっさり見破られ。

息を飲んだレイカに、呆れた顔をした、

「ちょ、なっ何より今の呆れた顔は」

終始こんな感じで、黒衣の一族。噂とは違いすぎる。駄目ップリに、些か拍子抜けしただけである。澄ました顔を取り敢えず作った、

「クッ……、何かばかにされた気がする」

素直に頷きそうになったが、意思の力で、動かない。不機嫌そうなレイカの視線が、刺さったからだ。

「カレイラ准将から、命令よ!。黒衣の村の側に、魔王の配下の隠れ家を見付けた、直ちに殲滅せよ。だってさ」

「わかった」

「それじゃ、隠れ家に案内するわね」

睨まれたが、視線を合わせず咳払いして、

「そろそろ出て来なよ」

上手く隠してるが、視覚魔法の綻びに気が付いてた。レイカの後ろに、視線を送る。訝し気に眉を寄せる。僅かな揺らぎ。魔力の反応にハッと息を飲んだ、

「や~。やり過ごすつもりだったんだよ~。悪いねオーラル~」

バツが悪そうに、ウインクしたカールを見て、血の気がひくレイカに、パタパタ手を振りながら、

「何となく解ってたって、言ったら怒る~?」鋭い眼光。不敵に笑うカールは、昼間見た。軽いだけの軽薄男とは、別人である。

「あんた本当に、さっきと同一人物?」

まじまじカールの足の先から、頭のてっぺんまで見て、

「カールなら仕方ない。黒衣のいちを知る立場にあるからね」あっ思い出したようだ、

「エレーナ大司教様のどら息子……」

理解したようだ、

「カールにも、同行してもらう」

仕方ないとばかりに、オーラルは気付いてた、変わり始めたカール、徐々に徐々に……、自分の弱さを軽薄な男を演じて、隠して来たのが、カールと言う男である。リーラ侍祭に頼まれたが、エレーナ母様……、カールが変わろうとするなら、喜んで手を差し伸べよう……。


「うっ仕方ないわね。足手まといにならないでよ?」

「はいはい~」お気楽に返事をするカールを、「さっきのは目の錯覚だわ……」

首をフリフリ。頭を振るレイカ、小さく笑いながら、オーラルはレイカの後に続いて、夜の森を駆け出した、


━村から、森の奥の小さな小川を抜けると、山間に出た、

「この先を登ると湖があるの。十年以上前まで、金山があった……、今は硝石を多く含む。土くれが取れることが、分かってるの……」

先のミレーヌ皇女を襲ったテロを関連付ける。

「貴方が、幻影の魔女ラグラド、緑眼の騎士ギラムを、撃退したのは姉から聞いてるわ」

「手薄な内にて、ところかな~」

軽薄そうにヘラヘラ笑うカールを、嫌そうに睨む。

「そうよ……、今の内に、彼等を排除したいのよ……」

黒衣としては……、口内で言葉を呑み込んだ。

「こっちよ…」

夏の花。灌木の間を抜けると。張り出した樹の根に、気を付けながらしばらく歩いた。


レイカが足を止めたのは、言われなければ、気付かない。ほんの僅かな乱れを感じた。

「僅かだね~。気を付けても、気が付くかどうか~」

意外な毎に。軽薄男の方が、先に気付いてた、ちょっと意外そうな顔をしてるレイカに、

「俺は~回復系の修行してたから、魔力を感じる感覚が、それなりなんだよ~」

「それは……」ノルカの報告書に、記載があった……、バツが悪そうに。頭を描きながら。

「結果として~補助系魔法が、あってただけなんだけどな~」「カール行けそうか?」

結界を調べてたカールは、肩を竦めながら、

「此くらいならね~。エルのスパルタ式結界より簡単かな~」「なっ……」

そんな単純な結界ではない。軽薄そうにヘラヘラ笑ってたカールは、手袋を外して、数秒何等かの魔法を唱えた、

「しばらく穴を開けとくから~、中腰に入ってな~」

あっさり結界に、穴を開けて見せた。

「こんな軽薄男が……」

つい本音がぽろり。

「ん~本音でも。内緒のが、嬉しいよ~」

苦笑を漏らしながら、カールが先に、オーラル、レイカが追従した、

「オーラル今気が付いたが、武器持ってないよな?、使うか」ナイフを差し出す。少し考え。ナイフを受け取り、手近な樹から、小枝をナイフで落として、葉っぱを丁寧に集める。

「これで十分……」

ナイフを返して、葉っぱを懐にしまった、

「はっ?ちょっ……」

声を上げようとした瞬間、手で口を塞がれた、それも二人に……、屈辱に真っ赤になるが、灌木の先……、人の気配を感じた、

「相手は五人、2人行けるか?」

カールは一つ頷く。

「1人頼むぞ」仕方なくレイカは頷いた。


オーラルは音もなく、気配を消して、木を利用して移動する。背後の二人を狙うつもりらしい。

「あんたは俺が、二人を相手してる間を狙えよ~」

そのつもりだったから、しゃくだけど素直に頷く。

カサリ、くぐもった声。二人が倒れた瞬間。カールが飛び出して、ナイフを投げ、喉を突き刺さり。


1人がカールに気付いて、剣を引き抜いた、身構えようとした瞬間、一歩後ろに下がり。低く身構え。鋭い踏み込みから、一気に間合いの内側に入り込む。何時の間にか、レイピアが、抜かれ剣を構える間もなく。心臓をひと突き、刺突チャージングと呼ばれる。レイピアの技だが……、残された1人は、カールを睨み。剣を油断なく構えてる。


相手が彼ならば、有効だった……、


レイカは、木々の幹を利用して、三角飛び、弧を描き宙を舞いながら、黒塗りのナイフが、頭上から翻り。一瞬にして、喉を切り裂き。暗殺していた…、


レイカは五人の遺体を、木陰に隠し偽装を施す。オーラルが倒した二人を、カールと運ぶ途中。月明かりで、見たのは、首の半ばまで切り裂き刺さる。ただの葉だと気がついて、ぞっと寒気がした。



……開けた場所に出ると、小さな集落跡を、見付けた。

「昔……、坑夫と家族の住まう。集落だった」


三人は、辺りに気を付けてながら、集落の残された屋敷を、見張る。時折明かりが、漏れてるから、人が要るのは一目瞭然である。

「あの屋敷では……、テロで使われた、炸裂弾の製造所になってるわ」

驚くほど真剣な眼差し。アレイク王国の闇を生きる一族。黒衣の一族である。レイカはオーラルの判断を仰ぐ。

「カール……、あれやろうか」

考え込んでたカールは、考えを見透かれた気がして、照れ臭そうに笑う。「オーラル知ってたのか、もう少し広域で、使えるようになってから、驚かせようと思ってたのにな~」

カールの肩に、信頼を込めて、手を置いた、


カールは木陰から飛び出して、足音と気配を消して、素早く屋敷に走りより、窓の真下に陣取る。見張りがいても。視界に入らない、絶好の場所である。カールは座り込み。魔力を高め。歌うように呪文を唱え。魔力を空に放たった……、


……集落は、静寂に包まれた……。耳鳴りがするほどの静寂。痛みを感じた時。


ぽつりと……一滴の雨が、地を濡らした瞬間、ザーっと、バケツをひっくり返したような、豪雨が降りだして、視界すら阻まれた。「おっ、おい雨だ」

「なんだって!、大変だ、火薬が湿気る。手伝え」

慌てる声に急かされ、足音とパタリ扉の閉まる音が、僅かに聞こえて来た、

「これは……」驚き目を見張るレイカは、自分の身体を確かめ、目を細める。うっすら魔力のベールで、雨から守られてると理解する。安堵して、改め突然の天候変化に……、顔が強ばった。

「まさか……」

「補助系。最強の攻撃魔法……、天候魔法をマスターしている」

「あの軽薄男が……」

唖然と辺りを伺ってると、

「ここは危険だ!、あの樹に登るぞ」

雷雨では無いための判断だろうが……、あまり樹に近付きたくはない。顔に出たレイカに、

土石流どせきりゅうで死にたくなければ、言う通りに」

訳も解らず。素直に従った。


膨大な雨は、水分を含まない、集落を望む山間まで及び。大量の水分は、泥濘を産み出した、しかし雨は強まる一方で……、

木々の根が、顔を出し始め。岩盤を叩く衝撃は、なだらかな坂上にある。巨大な岩肌に、亀裂を生じさせた、カールは頃合いを見はかり、屋敷から足早に離れ、巨樹をよじ登り始めた時。

屋敷の裏手にあった崖から、轟音が響いた瞬間。

「崖崩れ!?」気付いた、わなわな唇を震わせ。目を見開いた、

巨大な岩肌が崩れ落ちた、だが屋敷まで届かない。騒ぎを聞きつけ、数人が屋敷から現れた時だ、

崖の崩れた場所から、鉄砲水が吹き出して、凄まじい勢いで、流れ出した。

鉄砲水は、屋敷の周囲を流れ、まるで川のような、濁流を産み出していた、ゴゴゴゴ……、ギシギシ。嫌な音が屋敷から響いて、ガコン……、屋敷が流れ出した、呆気に取られた男達を巻き込み、再び土砂崩れが起こり。ついに……地滑りと相まって。土石流が発生したのだ、巨大な岩が、集落を飲み込み。凄まじい勢いで、小さな木々を根こそぎへし折る。光景に、血の気が引いたレイカは見いっていた、


こうしてカールの魔法によって、テロ組織を壊滅させた第1分隊であった、



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