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緋の鬼―アケノオニ―  作者: 唯菜美
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動き出した運命  伍

朱里の父親は鬼月 浅葱(あさぎ)

青の一族の長であり、鬼の中でも名を馳せる力の持ち主だった。

一方、母親は火々野 あかね。

一般家庭で育ち、自分が鬼の血を知らずに育った。

普通の少女だった。


浅葱が任務で行った高校に、あかねは居た。

その時は何も知らない、どこにでもいる普通の少女だった。

浅葱はそんなあかねに一目ぼれをしたが、その場限りの出会いだと、その思いを伝える事はなく、ただの友人として付き合い。そして、任務が終わるといつも通り去って行った。


その数年後・・・

邪鬼が大量発生し、鬼が暴れているという異常事態の収拾の依頼を受けた浅葱は、その場で再びあかねに出会った。

再開したあかねは、既に普通の少女とはいいがたく、目覚めた力に引きづられるように暴走する鬼となったあかねは、泣いて浅葱に助けを求めた。

浅葱はその助けを求める声に応じ、あかねを保護したのだ。


あかねは、鬼の中でも忌み嫌われている赤の一族の血を引いており、普通に暮らしていたのだが、突然変異なのか、薄れていた鬼の血に目覚めてしまったあかねは、その力を求めた赤の一族は、あかねの家を襲いギリギリの所でとどまっていたあかねの力を無理やり解放させ、呪いをかけ動かしていたのだ。

疲弊しきっていたあかねを助けた浅葱。

もともとあかねに一目ぼれしていたこともあり、そう遠くない未来に二人はくっつき、生まれたのが朱里である。

鬼の中でも力の強い青の鬼の浅葱と、血は薄いが目覚めた力は巨大なあかね。

そんな二人の間に生まれた朱里が、普通なはずがなく、朱里は伝説級の色を持って生まれた。


それでも、三人はごくごく平和に暮らしていたのだ。

一族の反対を押し切って結ばれた二人は、鬼達の里からは少し離れた所に居を構え、朱里の弟である蒼羽も生まれ、四人となった家族は幸せだった。


それが壊されたのは、朱里が5歳の時。

赤の一族が、一家を襲ったのだ。

他の一族から離れていたのが災いして、救援は間に合わず。

浅葱とあかねは殺され、朱里と蒼羽は生き残った。


その時、救援に向かった者の中には、愛良と佐渡もいた。

佐渡は苦い顔で、

「あの時の事は、一生忘れないし、忘れられないよ」

と言った。


朱里は、まだ3歳の弟を抱え、結界が施された部屋でうずくまっていたらしい。

扉はこじあけられ、結界ははがれかけ、すぐそこまで敵が迫っていたのが伺えた。

そのこじあけられた扉の近くに、浅葱とあかねが抱き合うように倒れていた。

蒼羽は当時の事を覚えておらず、救出した時も眠っていたため、その場で何があったかを知っているのは朱里だけだ。

襲ってきた者たちは、爆発的な目覚めと共に放出された朱里の力に当てられたのか、原型をとどめていなかった。


晴れた目からは、涙も流さず。

唇は強く噛みしめられたまま、叫びもせず。

弟を抱いてうずくまる朱里は、倒れる両親をただ見つめていたらしい。


「それまでも、私は朱里と交流があったのだけれど・・・それ以来、朱里は人を避けるようになったし、あまり喋らなくなった・・・」


そう言って、愛姫は話を締めくくった。

それまでは結構明るい子供だったというが、それほどまでに心に負った傷は大きいということだ。


「朱里は、自分の親しい人がいなくなるのを、極端に恐れている。それは、前世の事もあるかもしれないけど、朱里自身の過去にも起因していると思うわ」


淡々と語る愛姫の表情はどこか苦しそうで、近くで見てきたからこそ、朱里が一人で背負い込んでいるのを見るのがもどかしく思っているのだろう。

「だから」と愛姫は続ける。


「だから、あんたは強くならなきゃいけないの」


「俺たちはあいつと長い間一緒にいるから、あいつは俺たちの強さを知ってる。それでも、まだまだ人を失う恐怖をぬぐいきれないからか、どこかで俺たちを遠ざけようとしているんだ」


そう苦々しそうにつぶやいたのは、騎士だった。

佐渡や誠や愛姫も同じような顔をしている。

近くにいるからこそ、朱里の心を完全に救えない自分たちをもどかしく思っていたのだ。

そんな四人を見て、想真は決意を固くする。


「あぁ・・・必ず、強くなるよ。」


そんな想真の言葉に、俯いていた愛姫が顔を上げる。

交わった視線に、想真が安心させるように言い切った。


「強くなって、朱里を俺が守るっ」


「・・・はぁ?」


熱意を込めた熱いセリフは、愛姫の不機嫌な表情と声によってぶち壊された。


「・・・おい。いい雰囲気台無しじゃねぇかっ!!」


「何が、どこが、良い雰囲気よっ!話聞いてた!?朱里は強いっつってんでしょうがっ!!」


「だから、そんな朱里を守れるくらい強くなるって―――」


「いや、無理でしょ」


かぶせるように、速攻で否定した誠の声は、いつになく真剣だった。

普段見ない真顔な様子なだけに、想真のダメージは大きい。

半ば半泣きで叫んだ。


「む、ムリかどうかは!やってみないと分かんねぇだろうがっ!!!」


「いや、やってみなくても分かるよ。無理だって」


「・・・無理だな」


「・・・あぁ」


「バカじゃないの?」


上から、誠、佐渡、騎士、愛姫である。

完全に打ちのめされた想真に、誠があきれたため息をつきつつ説明する。


「想真君はぁ~、ど~考えても、戦闘タイプじゃないでしょ。君にできる事は、朱里の負担にならないように、最低限の強さを手に入れてほしいんだよね~」


「要は、朱里の足引っ張んないようしろって事よ。役立たず!!」


最後の最期にバッサリと切り捨てられた想真は、ただただその場に項垂れるしかなかった。



作者「話が進まない・・・」

想真「い・つ・に・なっ・た・ら!朱里は出てくんだよっ!!」

作者「ノーコメントで」

佐渡「あ、こりゃ当分出てこねぇな」

愛姫「下手くそ」

作者「・・・という訳で、ストックが切れましたっ!!」

佐渡「何が、という訳で?」

作者「そして、プライベートが忙しくなったので、おそらく5月は投稿できませんm(__)m」

愛姫「・・・つまり?」

作者「しばらく休業します」

全員「「またかっ!!」」

想真「朱里は!!!」

作者「6月には更新できるように、頑張りますのでm(__)m」

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