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緋の鬼―アケノオニ―  作者: 唯菜美
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守られし者 弐

お久しぶりです。


一年ぶりの投稿とか・・・もう、何も言う事がありません。

飽きていなければ、どうぞお読みください<(_ _)>

病院特有の薬のにおいが満ちる室内。

一般病棟とは少し離れた場所にある、月之宮総合病院の特別棟。

その一室で朱里は眠っていた。

体を管でつながれて眠るその顔色はまだ青白く、いくら峠を越えたからと言って、決して安心できる状態ではなかった。

そんな朱里の冷たい手を、愛姫は必至で握りしめていた。

まるで、朱里が死地に向かわぬようつなぎとめようとしているみたいで、誰も愛姫を朱里から離そうとは思わなかった。


ピッピッと一定のリズムで聞こえる機械音以外は、音のしない部屋の外。

床も壁も天井も、目もくらむような白の中。彼らの黒い姿は、白を汚すシミのようだった。


「どうだ?」


そんな二人をガラス越しに眺める男が二人。

一人は黒服に身を包んだ佐渡優。もう一人の肩まで伸びた銀髪を一つにまとめ、童顔に黒縁眼鏡をかけ、白衣を纏っている男の名は月之宮(つきのみや)(あい)()。この月之宮総合病院の医者であり、医院長でもある。

佐渡の問いかけてに、愛良はわざとらしく顔をしかめてみせる。


「無茶をしたね。かなり危ない状態だったよ」


ふぅと息を吐きながら、横目に男を見る白衣の男は、黒縁眼鏡をくいっとあげて横目で男を見やった。


「で?いったい何があったのさ、優くん」


「優くん言うな」


こんな状況でも返す突っ込みは、無意識のうちだろう。実際佐渡の目は朱里たちから離れておらず、表情も動いていない。


「じゃあ、先生とでも言おうか?」


「・・・ココではお前の方が先生だろうが」


「まぁね~。で、何があったのさ」


「・・・知らん」


「は?」


予想外の返事に、愛良は思わず間抜けな声を出して、佐渡を凝視した。

佐渡はというと、気まずそうに視線を逸らす。

そんな佐渡の様子に、愛良はため息を吐いた。


「・・・何やってんのさぁ」


「うるせっ!言っとくけどな、本人と愛姫以外はこの状況を説明なんて出来ねぇんだよっ!」


「そうでもないかもね~」


場にそぐわぬのんきな声が、不意に後ろから聞こえ、佐渡と愛良はバッと振り返った。

そんな二人の目に映ったのは、黒いジャージに身を包み横には巨大な黒い狐を従えた誠だった。


「やぁ、誠。何か知ってるようだね?」


「やっほ~親父。朱里の様子はどうよ?」


『アイラ~ボクいっぱいやっつけたよ!えらい、えらい?』


二人と一匹の会話は一切かみ合ってない

佐渡は話をややこしくするやつが増えた、とため息をついた。

この親にしてこの子あり。この親子にしてこの使獣あり。この二人と一匹はそっくりなのだ。


「おい、誠。何か知ってるなら教えろ」


この場にいる者が最初に知るべき事を優先して、佐渡が問うと誠は先ほどまでの笑顔を消して真顔になった。


「壁に耳あり、障子に目あり・・・ってね」


誠が意味深に言うと、夜狐がケーンと甲高い鳴き声を上げた。

すると夜狐の足元の影が広がり、三人を包み込んだ。周囲に様子は変わらないまま影が三人を別空間へと誘う。

それを確認した誠は、夜狐の頭を一撫ぜすると話はじめた。


「あの場に、ど~いうわけか神楽想真がいたんだよね~」


「はっ!?」


「あらら~」


言い方とは裏腹に誠の様子は至極真剣で、それを聞いた佐渡は驚愕に目を見開き、愛良の目がきらりと光った。

「どういう事だっ!!?」


「まぁまぁ落ち着きたまへよ、優くん」


「優君言うなっ!それよりどういう事だっ神楽があそこに居ただと!?」


宥める愛良に対し、佐渡は声をあらげて誠に詰め寄る。


『誠をいじめるなよ。ゆうくん』


「ぶっとばすぞガキ」


『まこと~』


「はいはい。良い子良い子」


「大人げないな~優君は~」


「話の腰を折るなっ!」


あまりにもくだらないやり取りに、佐渡は一つ大きく息を吐いて気持ちを入れ替える。


「で?どいう事だ?」


「どうしてあの場にいたかは知らないよ。でも、朱里の無茶の理由はコレで分かったでしょ」


「・・・なるほどな」


誠の言葉に佐渡はうなずいた。

理由はどうあれ、朱里は想真を守ろうとしたのだろう。

無茶をして“邪鬼”を倒したのは、きっと“邪気”が想真の存在を知ってしまったのだろう。もし“邪鬼”を倒さずに、最初の予定通り封印していたら、どこかから必ず想真の存在は漏れてしまう。

未だに、誰が敵で味方なのかハッキリしないのだ。否、はっきりしている事は一つだけあった。

本来味方側にあるべき場所に、敵が混じっているとい事だ。


「確かに、今回ほど大きな獲物だと、簡単に接触できるだろうからね~。それを考えれば朱里の行動は正しい・・・けど、医者としては褒められた行為ではないよ」


「・・・やっぱり、そうそうに敵をあぶりだすしかないだろうな。また今回みたいな事が起きないとも限らない」


「そこは、起きないように君が気を付ければいいんじゃない?」


「簡単に言ってくれるな・・・そうしたいのは山々なんだがな、味方が少ないんだよ。しかも今回は黄穂きほ緑花りょっかもいなかったしな・・・最近、あの二人と朱里が引き離されていることが多い気がするのは、俺の気のせいか?」


「他人事だからね~ボクは補助タイプの人間だからね。あの二人がいないのは、やっぱり痛いなぁ。気のせいじゃあないだろうね。人選の決定権はボクにはないから。まぁ、口を出すこともできるけど、そうするといざというときに動きづらいから、なるべく使いたくないんだよね~」


「やっぱりか・・・あぁ、使うな。なるべく俺が守るよ」


「は~い。小難しい話してるとこ悪いんですけど~いいですかぁ?」


めずらしく真面目なやり取りをしている二人の会話を、誠が片手をあげてさえぎった。

その足元では、よほどつまらないのか夜狐がくわっと大きな口を開けてあくびをする。


「なんだ?」


「朱里の周りをどうこうするも大事だけど、想真はどうするの?」


「・・・どうするって」


「今、想真君はどこにいるんだい?」


「ん~?騎士と一緒に学園に行ったよ」


「怪我は?」


「してたら、ココに連れてくるよ」


「うん。いい判断だね」


よくやったと褒める愛良に対し、誠は別に喜ぶでもなく軽く肩をすくめてみせただけだった。変わりに夜狐が太いふさふさの毛を振って、喜びをしめした。


「で、どうするのさ?」


「・・・俺たちからは話せない」


「だよね~こればっかりは僕たちには、どうにもできないよ」


「じゃあ?」


「本人達に任せるしかないだろ」


「てことは、朱里と話させるってこと?」


「しかないだろうね」


それはどうだろう、と誠は眉をひそめた。

朱里は想真を避けているのに、どうやって話をさせるというのか。

それになにより、問題は想真だ。


「・・・それまでアイツが大人しくすると思う?」


今は放心状態の想真。だけど、正気を取り戻したらどうなるか?朱里が大けがお負っていることは当然ながら知っている、という事はまず真っ先に朱里に会おうとするだろう。


「・・・思わない」


「そうなの?」


「パパは、まだ会った事ないもんねぇ。朱里にベタ惚れですよ」


へぇ~と、まだ想真の一方的な朱里への溺愛具合を見ていない愛良は、簡単に流してから一応医者らしく忠告をする。


「でも会わせるわけには行かないよ~。今の朱里は絶対安静だからね。動かすわけにもいかないし、想真君に来てもらうわけにも行かないしね~」


この病院は月之宮のもので、なおかつ一般病棟から離れているこの場所は簡単に入る事が出来ない。だが、仲間・・なら簡単に入ることができる。

完全に安全とわかっていれば、わざわざ夜狐に結界を張ってもらう必要もないのだ。そんな場所に想真を連れてくるわけにはいかない。故に、想真にはどんなに朱里に会いたくても我慢してもらうしかないのだ。

それを十分にわかっている誠と佐渡だが、理由を簡単に事情を説明することができない現状で、想真を納得させれるかどうかといわれると、自信がない。

思案する誠たちに、それまでつまらなさそうにふせをしていた夜狐が頭を上げた。


『ボクが齧っとこうか?』


ニッと尖った歯を見せる夜狐に、佐渡が呆れたような視線を向ける。


「齧ってどうするんだよ」


「あ、そういえば白蛇ハクダ姐さんがついてるわ」


だから大丈夫だと言う誠の言葉に、佐渡と愛良の雰囲気が一変した。

ピシリという音が聞こえるほどに、硬直した二人を見て夜狐は首をかしげた。


「・・・白蛇さんが出てるのか?」


「うん。じゃなきゃ朱里が想真を置いて離れるわけないじゃん」


あっけらかんと答える誠に、そうだよなぁと佐渡はガシガシ頭を掻いた。

そんな佐渡からそっと目をそらした愛良は、ボソッと小さな声で言った。


「・・・ボク、しばらく学園に行かないからよろしく」


「おいっ!俺一人で帰れってか!?」


その言葉を聞いて、佐渡が愛良に詰め寄る。愛良はというと相変わらず目を逸らし続けている。


「だって、ボク医者だし。ココにいなくちゃいけないんだよね」


「ふざけんなっ学園も月之宮のもんだろうがっ!将来お前が継ぐんだろ」


「よし。将来の理事長命令だ。今すぐ帰って想真君の相手をしておいで」


ヤンキーのように、顔を突き合わせ小声で言い合いする二人に、誠と夜狐が冷めた目を向ける。


「ちょっと~いい年こいたオッサン二人の言い合いなんて見たくないんだけど~」


『・・・ハクダとなにかあったの?』


「それ毎回聞くんだけど、教えてくれないんだよね~・・・で、何があったの?」


「「子供は知らなくていいっ!!」」


『「・・・」』


あきれた視線を向ける二人に気づかぬまま、大人気ない大人たちのやり取りは数分続いた。


愛姫「不定期更新って、1年に1回ペースなの?」

佐渡「・・・作者いねぇぞ」

誠「あぁ、なんかね。『もう、登場しません。勘弁してください』だって」

愛姫「逃げたっ!!」

佐渡「作者に代わり、お詫び申し上げます。すみません」

愛姫「誰かひっとらえてきてよ。焼くから」

誠「変わりに、伝言預かってきてるよ~」

愛姫「何よ?」

佐渡「どうせ、言い訳だろ」

誠「優くん、するどいっ!『書くのに時間がかかるから、先に手元で完結させてから、アップしていこうと思ってたんだ(遠い目)』だって」

佐渡「・・・で?できたのか?」

愛姫「アップしたって事はそうなんじゃないの?」

誠「それがねぇ~すこ~しだけしか進んでないんだって」

愛姫「おい」

誠「なんでも、『さすがに1年はヤバイ!』って思ったらしい」

佐渡「相変わらずのダメ人間っぷりだな」

愛姫「じゃあ、またこれから更新が空くわけか」

誠「お、カンペ・・・『精進します』だと」

愛姫「・・・もう、いいわ」

佐渡「帰っていいか?」

愛良「え、ボクの事触れず!?」

佐渡「・・・誠、連れて帰れ」

愛姫「誠なら先に帰ったわよ」

愛良「マジか!?」

佐渡「・・・今回初登場ノ月之宮愛良ツキノミヤアイラハ、誠ノ父親デ俺ノ幼馴染デモアル。今回登場予定ジャナイノニデテキマシタ。誠ハ確実ニ父親似デス。以上」

愛良「見事な棒読みっ!!ボクと今は亡き愛しい奥さんの恋愛話とかは・・・」

佐渡「いらん」

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