偽りの神 七
お久しぶりです&遅くなりましてスミマセンm(__)m
「神夜っ!!!」
たどり着いた部屋からは、禍々しい気配があふれ出している。そのけがれた空気に埋もれるように、神夜の清らかな存在があった。
乱暴にあけた障子をあけると、室内にいた者たちが驚愕の表情でこちらを見る。
「・・・ほ、う、ずき」
唸るように絞り出された神夜の声は力がなく、神夜がどれだけ衰弱しているかがうかがいしれた。
壁際にひれ伏すように頭を垂れていた男は顔をあげ唖然とした顔をしており、室内の大半を占める巨体で神夜にのしかかる“鬼”も赤い目を見開いている。神夜の髪をつかみ、顔と顔を突き合わせている赤い髪の少女だけが、驚きもせずにニヤリと口元に弧を描きながらも、行為をとめようとしない。
神夜から放たれている輝く靄が、少女に吸い込まれて消えてゆく。
ソレがなんであるか悟った時、鬼灯の頭が真っ白になった。
「か、ぐ、やから離れろぉぉぉぉっ!!!!!」
煌く刀を振りかぶり、元凶ともいえる少女にむかって駆け、その勢いのまま振り下ろす。
「アーハッハッハッハッハッ!!」
少女は甲高い笑い声をあげながら、身軽に翻し飛び避ける。十分に間合いを取り、ストッと舞い降りた少女は、楽しげに笑みを浮かべたまま、鬼灯を見る。
「ククク、久しいのう、鬼灯?大きゅうなった」
「?お前など、知らないっ!!」
神夜を守るように背後にかばい、切っ先を少女と鬼に向ける。少女に切かかったと同時に、鬼も神夜から飛びのき、少女を守るように横についている。
「まだ、赤子だったからの。知らなんで当然じゃ。母親とよう似とる・・・・特に、その赤い瞳とかの」
「!!お前・・・もしやっ」
鬼灯の目が驚愕に見開かれる。カタカタと揺れる刀が、鬼灯の動揺を現わしていた。
「ククク。その、もしやだ。お前の両親を殺したのは、私」
「っ!!き、鬼様っ!!」
鬼灯の両親は、鬼灯がまだ赤子の頃に殺されている。父が人間だったため母は鬼の里を出て、こじんまりとした小屋で三人で暮らしていたと、常盤が言っていた。そして、二人は殺され、赤子だった鬼灯は連れ去られ、気づけば鬼灯は“神”の“力”として使役されていたのだ。
何が目的だったのかなんて知らない。
だが、本能が告げる。
この少女が、全ての黒幕だと。
「ほ、うずき、何故っ」
怒りで頭に血が昇りそうになった鬼灯を冷静にさせたのは、苦しげな神夜の声。しぼりだすような声を、鬼灯はあわてて遮る。
「神夜・・・ココから逃げよう。コイツは“神”なんかじゃないっ」
「・・・あぁ」
溜息なのか、返事なのか、あきらめにも似た声に、鬼灯は苦しくなった。
「逃げれると思うか?この、私から」
開いたままの扉から、不穏な風が吹きつけた。
鬼灯の頬を、嫌な汗が一筋流れた。
少女はクスクス笑いながら、隣でひざまずく鬼の肩にもたれかかる。そして、少し背伸びをして、鬼の耳にささやいた。
「のう、紅。あ奴ら、私から逃げ切れると思うか?」
鬼が醜い顔をゆがめて笑う。
『まさか。鬼炎様のお手を煩わせるまでもなく、我が捕えて見せましょうぞ』
ニマニマと下卑た笑みを鬼灯達に贈る鬼に、鬼灯は警戒を解かぬまま顔をひそめた。
「・・・それは、“邪鬼”?」
“邪鬼”とは、邪な考えに囚われた人間の末路。悪しき思いが具現化した“邪鬼”には意思などなく、人間だったころの知性もないはずだ。なのに、この“邪鬼”は、少女と普通に会話をしている。
“邪鬼”と意思疎通しているという奇妙な光景は、異常だった。
「気づいたか?」
クスクス笑い名がら、少女がうれしそうな顔をする。まるで、良い事をしてほめられた童のように笑うその姿は、とてもじゃないが悪の親玉には見えなかった。
「コレは、私の作品じゃ。“邪鬼”にして、“邪鬼”にあらず!意思を持つ“邪鬼”だ」
「意思、を持つ?・・・ありえない」
あまりに突拍子もない言葉に、鬼灯は唖然として首を左右にふる。
「ふん。お主は、頭が固いの。目の前にいるのに、ありえないなどと」
「“邪鬼”が意思を持ちだせば、この世の均衡が崩れるっ!!そんな存在は、あってはいけないっ!!」
“邪鬼”は、悪しき人間のなれの果て。悪しき人間は、邪な考えに囚われたがゆえに“邪鬼”となり、力を得る。その代償として知性がなくなり、本来の邪な考えも消え、暴れるのを“鬼”が狩るのだ。
もし知性を持ったまま“邪鬼”となれば、邪な考えの内容によっては、この世が滅んでしまう。
そんな自然の摂理に反した存在を、“鬼”としては簡単に肯定するわけにはいかなかった。
「百聞は一見にしかず。しかと見よ」
少女が片手をスゥッとのばすと、ソレに呼応して“邪鬼”が身をかがめ戦闘態勢に入り、グルルルと獣の唸り声をあげる。
鬼灯は背後でうずくまる神夜にチラリと目をやり、刀を構えなおした。
―――守るっ
決意を新たに刀を構える鬼灯を見て、少女はニィッと笑みを濃くする。
「紅。ゆけ」
瞬間、紅<クレナイ>と呼ばれた“鬼”は、鬼灯に向かって駈け出した。
ギィィィィンッ!!
鬼灯の銀月と紅の鋭い爪がまじりあい、火花を散らす。
「――くっ!!」
苦痛の声をあげ退いたのは、鬼灯だった。衝撃のせいか、鬼灯の頬に赤い筋がついた。
「強かろう?これぞ、“鬼”じゃ。“鬼”とは、こうでなくてはならぬ」
楽しそうに剣を交える二人を見る少女の瞳は冷たい。
「お、前はっ!何がしたいっ!!?」
「何が、とは愚問じゃな。この世は、“鬼”である私たちが統べるべきなのだ。人間なぞ、いらぬ」
「ふ、ざ、ける、なぁぁっ!!人も、鬼も、同じだろうっ!?」
「同じとは、ふざけた事を・・・紅、やってしまえ」
「――御意」
紅が振りかぶったこぶしが、鬼灯を襲う。鬼灯はとっさに刃を紅に向け、そのこぶしに刀を食いこませる。鬼灯の頬から流れた血とは比較にならないほど大量の赤が噴き出で、鬼灯と紅を染める。
かなりの深い傷にも関わらず、紅は気にした様子もなく、こぶしの勢いをとめない。
――バキッ
それは鬼灯の目にやたらとゆっくりとした光景として映った。鉄が折れるには儚すぎる音と共に、愛刀“銀月”が真っ二つに折れる。
ゆるやかな弧を描き折れた切っ先が、鈍い音を立てて壁に突き刺さった。
「っ!?」
残った刀身を唖然と見つめる鬼灯に、紅の鋭い爪が襲いかかる。
「鬼灯ぃっ!!」
作者「一週間って、何日でしたっけ?」
佐渡「はったおすぞ」
作者「ごめんなさい」
愛姫「気づいた?こいつあらすじ部分の『一週間以内に投稿する』っての消してんの」
佐渡「うーゎー」
作者「…ドン引きしないでくださいな」
愛姫「しかも前世編まだ終わってないし?」
作者「ごめんなさい」
佐渡「謝ってばっかじゃねーか」
作者「ごめんなさい」
愛姫「脳みそが腐ってんじゃないの?」
作者「味噌って発酵させるもんだから、腐ってんじゃなくて発酵してるの」
愛姫「ほら、腐ってる」
佐渡「ほっとけよ、もう」
作者「ほっとかれたところで気を取り直して」
愛姫「取り直すなっ!」
作者「あとがき埋めどうしようと思っていたら、二人いたのよね〜名前説明してないの」
佐渡「…誰だ?」
作者「神夜と鬼灯」
愛姫「前やらないとか言ってなかったっけ?」
作者「前言撤回」
愛姫「出た、ブレブレ」
作者「いつもより多めにブレております」
佐渡「反省してんのか?」
作者「(`・ω・´)コクッ」
愛姫「絶対してねぇわ、コイツ」
佐渡「しゃあねぇよ。脳が発酵してんだから」
愛姫「コイツの場合、納豆でも詰まってんじゃないの?」
佐渡「粘っこそうだな」
作者「というわけでっ!!」愛姫「っ!?いきなり叫ぶなっ!!」
佐渡「…何が、というわけで?」
作者「後書き、次回は神夜と鬼灯の名前について!!期待しないでお待ち下さいっ!!」
佐渡・愛姫「「続くのっ!?」」
作者「あと、次で前世編ラストだよ☆」




