銀の鬼 伍
タイトル変更しました〜!
あと、ちょっとだけ血が出ます。(ほんとにちょっと…)
苦手な方はご注意をm(__)m
――…ヴォォ…ォォ…ォッ!!…――
振りかぶられた朱里の体ほどある巨大な手を、しゃがんで躱した。低い姿勢のまま、相手の懐へ飛び込み刀を振るう。
「ア"ァァァァァッ!!」
致命傷を負わせれると思った鋭い攻撃だったが、巨大な身体の割には素早い動きで相手が飛びのき、刃は掠るだけだった。
鬼の分厚い皮膚に、細い傷が走り、鬼の顔が怒りに歪む。
互いに距離を取り、視線を逸らさずに隙を伺う。
目の前にそびえる鬼は、今まで相手にしてきた雑魚とは違い、朱里はかなりてこずっていた。
仲間の援護も間に合わないほど、素早い攻防の繰り返し。
一カ所に留める事さえ出来れば、仲間が新たに陣を張ってくれるが、それには最低5分はかかる。
激しい戦闘にしょっちゅう場所を変える現状では、不可能だった。
思い通りの場所に追い込むことも出来ないし、一カ所に留めることも出来ない。
正直、手詰まりだった。
朱里の肩が荒い息と共に、上下に動きだし、脇腹がズキリズキリと鈍く痛み始めていた。
――…ヤバいな、傷が開いたかも
愛姫の予想が的中してしまった事に、少し気まずい気分になる。
今の状況が続くようなら、かなりマズイ。
でも、勝算が無いわけでは無かった。
既にこの地域には、結界が張ってあり、鬼に取ってはそれだけで結構なダメージになっているはずだ。
現に、顔色こそ伺えないが、動きが鈍ってきている。
朱里が倒れるか、鬼が力尽きるか。かなり危険な賭けだった。
風が、朱里の頬を撫でた。瞬間、何か嫌な感覚がして、朱里の集中力が途切れた。
気づいた時には、目前に鬼の手が迫り、避ける間もなく朱里の体を突き飛ばした。
「――っ!!」
細い体が宙に浮き、そのまま横へと投げ飛ばされる。
耳をつんざくような破壊音と、体に走った痛みが何かに衝突した事をしらせる。
あまりの衝撃に、目の前がチカチカする。朱里は霞みそうになる意識を、頭を振って引き止めた。
激突して崩れた壁から舞い上がる埃に、視界が白く濁る。
『朱里っ!!大丈夫っ!?』
イヤホンから愛姫の悲鳴に近い声が聞こえた。体を起こしながら怪我の具合を確かめる。
手足を順に動かし、骨に異常がないことを確認すると、返事を返した。
「…大丈夫」
打撲は酷いと思うけど、という言葉を飲み込んで答える。
「…このまま、結界に追い込むよ…」
急がないと、持ちそうにない。そんな事を頭の中でだけ考えていると、愛姫が更に怒鳴った。
『何言ってるのよっ!!傷っ開いたんじゃないの!?』
流石に言葉に詰まった。よくお分かりで、と皮肉じみたことを思いながらも、瓦礫を避けながら進む。
事実、一歩踏み出すたびに脇腹に鈍い痛みが響いている。それでも「大丈夫」と言おうとして、激痛に体勢が崩れた。
――カランッ。
ガラガラと崩れる壁が騒音を立てる中で、小さな音が耳に届いた。
本来なら気にもとめない音が、やけに耳に残りボンヤリとしていた意識が覚醒する。ハッとして音のする方に顔を向けると、風が靄-モヤ-を流し視界を鮮明にする。
そこに立つ人物に、朱里は体が奮えるのを抑える事が出来なかった。
「…ど…して…」
どうして、いるの。何で、いるの。
奮える声は、掠れてうまく言葉にできなかった。
彼は、大きな漆黒の瞳を驚愕に見開き、朱里を見つめている。
薄汚れ、血を浴び、血濡れた刀を握っている自分の姿は、いったい想真の目にどう映っているのだろう。
想真は、昔と変わらず綺麗なままで、汚れた自分が嫌で、嫌で。
せめて、血濡れていない黒髪の自分だけを見ていて欲しかった。
血濡れた銀の髪が風に揺れて、泣きそうな朱里の顔を隠すように目元にかかる。
――…あぁ……貴方にだけは、知られたくなかった…………神夜<カグヤ>。
作者「タイトル変更しましたっ!」
朱里「ややこしくて申し訳ありませんでした。」
愛姫「以後、タイトルは変えないので、これからもよろしくお願いします」
想真「これからどんどん俺と朱里のラブシーンが」
愛姫「ありません!」
朱里「……」
想真「…あるよな?」
作者「…さ、さぁ?」
愛姫「さぁって何よ!?」
作者「いや、だって、コイツ(想真)予定通り動かないんだもん」
愛姫「作者だろっ!制御しなさいよっ!!」
作者「確かに作者=親だけど、親だからと言って、子の成長を妨げるような事をするのはどうかと思うんだよね〜子供は自由にのびのびとっ!!」
朱里「…綺麗な事言ってるけど、要は責任放棄だよね?」
愛姫「おいっ!」
想真「ラブシーンはっ!?」
作者「…つかさ〜、今本編がすごくシリアスなんだから、こんな話やめない?うん!それがいい!でわっ!」
愛姫「あっ!?逃げたっ!!」




