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緋の鬼―アケノオニ―  作者: 唯菜美
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序章

初めてまして。

唯菜美-イナミ-と申します。

稚拙ながら小説を書かせて頂きます。

誤字・脱字などやんわりと注意してやって下さい。

『目標は完結まで書く!』です!

毎日は無理ですが、あまり日を開けずに書けるよう頑張ります!必ず書ききるので、気長にお付き合い下さいませ。

どうぞ、生暖かい目で見守って下さい。

鬱蒼と緑が生い茂る山の中、女は静かに泣いていた。

地に横たわる男の頭を膝に乗せ、ゆったりした動作で男の柔らかな髪を撫でる。

月明かりに照らされた整った男の顔は蒼く、玉のような汗が無数に浮かんでいた。

風すらも黙る月夜の山の中、男の苦しげな呼吸音だけが異様に大きく聞こえた。

閉ざされていた男の瞼がフと開き、夜空を切り取ったような黒玉の瞳が、女を見上げる。

「神夜」

愛おしい男の名を呼び、背を丸め男の顔を覗き込む。

女の頬を涙が伝い、男の額に落ちる。

女の銀色の髪が僅かに肩から滑り、男の頬をくすぐった。

男はゆるりと微笑むと、力が入らぬ腕を無理に引き上げ、女の涙を拭う。女はその手を両手で包み、頬を擦り寄せた。

「す、まない……そなた、をまた……一人に…して、しまう」

苦しげに紡がれた言葉は、ヒューヒューと、掠れた風ねようにはかなく、命の灯が消えかけている事を、まざまざと思い知らせる。

女は縋り付くように、包んだ男の手を握りしめ、首を激しく左右に降る。



嫌だ。と



「鬼灯」

男に名を呼ばれ、首を降るのをやめて涙に濡れた灰色の瞳を男に向ける。

男は、穏やかに微笑んだ。

「今度は、私が…見つける」

だから、と最後の力を込め、遠ざかる意識を必死でつなぎ止め、空いた手を持ち上げて、自分の手を包む女の片手を開いて小指と小指を絡めた。

絡めた指に蛍のような淡い光が灯り、赤い糸が結ばれた。


「来世で、逢おう」


それだけを伝えると、力尽きた男の瞼がゆっくりと閉じ、絡めた小指が解けた。

「ぁ…っ」

縋り付くように小指を絡めようと伸ばすが、力の無くなった指は逃げるように滑り落ちた。

幻のような赤い糸が、霧散して空に溶けた。


「ぅ…ぁ…ぃ、ゃ…ぃやあぁぁぁぁぁぁぁっ!!」


もう片方の冷たくなった男の手を握りしめたまま、女は声の限り叫んだ。



悲痛な声は、静まった森にいつまでも響いていた。


後書きで、キャラの会話を書けたらいぃなぁ〜

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