序章(プロローグ)蒼 — 琥珀
大学の塀の内側――
そこが何であるかなど、誰もが知っている。
光と色に満ち、色恋と、権力に飢えた者たちが絶えず入れ替わる場所だ。かつてノートパソコンの画面に沈み込んでいた教室最後列のオタクでさえ、目の前で呼びかける「女の子」たちの刺激を求めて、髪を整え、粗野な男たちの群れとパーティーへ向かうようになる。
だが――
その喧騒のすべての中で
“彼”だけは例外だった。
二十二歳。高校の卒業資格すら持たぬ青年。
それでいて、コネと、滅多にお目にかかれぬ闇色の才能によって、映画学科の特別講師の座にまで上り詰めた男。
だが、天才に下劣さが伴えば長くは続かない。
在任は、わずか一年。
処分通知と召喚状が、彼の部屋へ直接送りつけられた。
その奇妙な罪状は――
「女たちの罠に落ち、問題を起こした」こと。
笑う者。
ただ見つめるだけの者。
大学の門から連れ出されていく彼へ、
すべての視線が突き刺さっていた。
去り際に男が残した最後の言葉は、漢王朝の台詞を引いたものだった。
「他人がどう見るかなど知ったことか。
決めるのは奴らだ――俺じゃない」
彼は顎を上げ、
沈みゆく夕日の下へと消えていった。
その後、彼は“最も豪奢な牢獄”へ送られる。
国の中心とも呼ばれる、男子インターナショナル校。
望まぬ更生観察の名目で、矯正されるために。
そして――その日。
檻が閉じ始めたまさにその日、
今年唯一の英国籍交換留学生
ジョアンが足を踏み入れた。
規律に満ちたその場所で、
一人は罪を償うために来て、
もう一人は新しく始めるために来た。
だがあの夜、屋上に灯った星の光が――
二人の「授業」を、永遠に変えてしまうことになる。




