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愛を信じられない令嬢は、王太子殿下に心を溶かされる  作者: あいら


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「ティナ勉強をする気になったんだって」


その日の夕方、ポタージュを飲みながら、

父であるルーズベルトがにこにこと話しかけてきた。


ちなみにティナは私の愛称で、

親しい人は皆私をこう呼んでいる。


父は私とはまったく似ていなくて、

赤茶色の髪にがっしりした体、

口元には髭を蓄え、いかにもガタイ田舎貴族と言った感じだ、

私の容貌は完全に母譲りで、

母を溺愛していた父は、

母とそっくりな私を、かなり溺愛してる。


「はい、勉強しようと思います」


「勉強に目覚めるなんて、本当に嬉しいよ

 まるで別人になったみたいだ」


その言葉に危機感を覚え、わざと否定する。


そうでなくても、メイド達から、

しっかりしだしただの、礼儀正しくなったと

囁かれているのだ、違和感はできるだけ消しておきたい。


「勉強には目覚めておりませんわ」


「そうなのか?」


相変わらず、残念な美少女を演じる。


サラダに伸ばした手を止め、ルーズベルトが

不思議そうな顔をした。


「私は恋に目覚めたのです!」


するとルーズベルトは破顔して、


「そうだった、王子と会話したいんだったね」


その言葉にうんうんとうなずく。


はっきり言って、王子に(顔以外)まったく興味はない、

王妃なんて絶対にごめんである。


しかし、王子に興味があると言っておけば、

他の婚約話も持って来れないだろうと、

堂々と利用させてもうらう。


いくら美人とは言え、田舎の伯爵令嬢では、

王妃は難しいだろう(多分)という計算だ。


「お姉様、王妃様になられるのですか?」


まだ9歳の弟のステファンが、

きらきらした目で私を見つめてくる。


ステファンは父譲りの容貌で、

まだ体は細いとは言え、

かなりしっかりした体つきだ。


弟は父にそっくりな外見なので、

姉弟である事は、知らない人が見れば分からないだろう。


弟のステファンはシスコンまではいかないが、

かなり姉の事が好きである。


子供の頃、父に怒られたステファンを宥めたり、

そこそこかまってあげていたのも大きいだろう。


クリスティーナとしても、

ブラコン程可愛がっている訳ではないが、

それなりに可愛い弟と思っていたようだ。


高島奈々の人格が入ってからは、

一人っ子だった事もあって、

この弟はめいいっぱい可愛がろうと心に決めていた。


それにしても王妃になりますか・・・か、

24歳の私としては、ありえん!と断言するが、

ここは演技で、


「王妃になるかもしれないわ」


と自慢気に話す。


「凄いです」


とステファンは更に目を輝かせる。


ルーズベルトも、


「ティナになら王子もめろめろだろう」


と否定せずに頷いている。


何という親バカ。


「先生は優しい女性の方がいいですわ」


「うーん、そうだね、

 王都の知り合いにいい人がいないか聞いてみるよ、

 王妃を目指すとなると、

 それなりの知識がいると思うからね、

 田舎の家庭教師では不安だ」


いや、そこまでせんでいいです。


という言葉を飲み込み。


「楽しみです」


と笑顔で返しておく。


「そうだ、王子の姿絵をあげよう」


「本当ですか?」


これは演技ではなく、本当に嬉しそうな声が出る。


最近気づいたのだが、王子はイケメンなだけでなく、

私が好きでよくコンサートに行っていた、

バンドメンバーの一押しのギターリストに似ているのだ!


なんか王子って顔いいよねと思っていて、

その事にたどり着くと、ストンと納得した。


やはり人格は高島那奈。


顔の好みは変わらずなのよね。


結婚にはまったく興味がなく、

どちらかと言うと、男性嫌いだが、

推しを愛するのは別次元の話である。


食事を終え、ベッドに行き、

王子の絵を見て、にやにやする私に、

リンダは幸せそうな微笑みを浮かべるのだった。

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