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愛を信じられない令嬢は、王太子殿下に心を溶かされる  作者: あいら


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秋も深まってきた頃、王妃様より呼びだしを受け、

学園を休んで王宮に来ていた。


今回は、カーバス帝国から使者が来ているので、

面会に参加して欲しいとの要望だ。


ベルティール領との合同のクリーム開発は好調で、

貴族女性の手に、少しづつ渡るようになってきている。


しかし、まだ他国に売るまでは生産できないと

いう事を話していると、

カーバス帝国でも養蜂が盛んな地域があり、

そこに工場を作ってもらえないか打診があったのだ。


カーバス帝国の蜂蜜は、ティファニー王国の

蜂蜜とまた種類が違うらしく、

クリームの幅が広げられるというメリットがある。


今日はその打ち合わせの予定だったのだが。


「申し訳ございません」


「いいえ、仕方のない事ですわ」


応接間に通された私は、メイドから事情を聴く、

カーバス帝国の使者と、

クリームとは違う話しで揉めているらしい。


「何の話か聞いてかまわないかしら?」


お茶を飲んでしばらく経った頃、

単なる話題でメイドに話を振ってみる。

返事がなければそれでもいい程度の、

軽い問いかけだ。


しかし、思っていた以上にしっかりした返答があった。


「りんごについてです」


「りんご?」


「はい、カーバス帝国からりんごを大量に輸入している

 のですが、今年はカーバス帝国のりんごで

 痛みが多いのが多くて、価格を上げたいという

 話があったのです」


「まあ」


りんごはアップルパイによく使われる。


アップルパイは日本でいうお味噌汁ぐらい、

ポピュラーな食べ物で、

その家庭家庭の味があると言われている。


そんなりんごが高くなると、

民の不満も高まりそうだ。


「後は、関税の問題もございまして・・・」


「関税?」


「はい、りんごの関税を上げる話が出ているのです」


それでは2重に価格が高くなる。


これは揉める訳だと、納得する。


私は紅茶と共に出されたマカロンを摘まみながら、

答える。


「関税を上げるのは止した方がいいわね」


「そうですか?」


「むしろ関税はなくすぐらいの方がいいわ」


食料品だけあって、元々関税は低い・・・それなら、

と思ったのが、王宮の人にとっては衝撃の発言だったようだ。


「関税をなくすと、我が国の領主の反対が出ると思いますが」


「関税をなくすと、今まで以上に商品が入るわ、

 今まで通りの良いものも一緒に、傷がある物も輸入して、

 加工して、他の商品を売ればいいのよ」


「他の商品ですか・・・・」


幸い、りんごを輸入している領地は人も多く、

加工技術も高い地域だ、今まで以上に忙しくはなるが、

無理な話でもないだろう。


「りんごと言えばアップルパイね、

 しかし、ジャムやお酒、お酢など、

 りんごから様々な物が作れるわ、

 それらを売れば、関税の税金以上の収入が、

 得れると思うのよ、


 それに、これなら、多少傷んだりんごも使えるわ、

 加工してしまうのですから、

 カーバス帝国としても、傷んだりんごも

 買ってもらえて、関税も上がらなかったら、

 万々歳なのではなくて?」


暗にカーバス帝国に恩を売っておくと、含ませておく。


言い終わると、マカロンを口に含んだ。


ああ、美味しい。


このサクサクの皮とクリーム相性最高ね。


そう思っていると、メイドが失礼します!

と言ってどこかに行ってしまった。


まあ、何かしら?と思いながら見送っていると、

私の思いつきがなんと王、王妃、使者に伝えられ、

驚きと共に採用され、頭を悩ませていた官吏からは、

大感謝されてしまった。


なんて優秀な人なんだと、尊敬の眼差しで見られ、

更に頭が痛くなるのであった。

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