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「おはようございます、お嬢様」
「ん・・・おはよう」
私付のメイド、リンダが起こしに来てくれて、
私はのっそりと布団から体を起こす。
「あら、すぐに起きられるなんて・・・」
リンダが驚いている。
あ、そうか、クリスティーナは起こしに来てくれても、
ごろごろしてなかなか起きなかったのよね。
しかし、二度寝して会社に遅刻なんて、
恐ろしくてできなかった私は、
それを気にする事をなく、起きる事にする。
習慣って怖い。
リンダが桶にお湯を持って来てくれて、
それで顔を洗う。
「モーニングティは何にされますか?」
「そうね、ダージリンをお願い」
「かしこまりました」
こうしたやり取りをする時、
クリスティーナの記憶があるのはありがたい、
多少の違和感はありつつも、
おかしいとまではいかないのだろう。
リンダは茶葉を用意し、
ポットに高い所からお湯を注ぎ、
本格的に紅茶を淹れている。
その手際の良さから、
かなり上級のメイドだと察しられた。
クリスティーナの記憶では、
リンダについての詳しい情報はない。
見た所24歳ぐらいだろうか、
この国ではとっくに結婚していておかしくない年だが、
結婚しているか、未婚かも知らない。
そんな事を考えていると、
丁寧にカップに紅茶が注がれる。
「お待たせ致しました、お嬢様」
「ありがとう」
私は熱いのを警戒しながら口をつけるが、
温かいものの熱い程ではなく、
ここまで調整してあるのかと驚く。
本当にリンダの紅茶は美味しいわ。
自分で入れるティーパックとの違いに驚きながら、
紅茶を味わう。
「お着替えをいたしましょう」
「ええお願い」
私は立ち上がり、腕を横に上げる。
後は着せ替え人形のように、ドレスを着せられる。
コルセットはパーティぐらいで、
普段はしないので、そこにほっとする。
「髪を整えます」
そうリンダに言われ、鏡台の椅子に座る。
そこに映った姿に驚愕した。
何なの!この美少女!!!
金色の髪に緑色の瞳、
肌はつるつるで、西洋のお人形さんみたい!!!
クリスティーナの記憶では、
自分のことそこそこ美人と認識していたようだが、
高島那奈の記憶からすると、
そこそこどころではない絶世の美女である。
異世界転生ブラボー!!!
「私、美人よね」
思わずリンダに聞いてしまう。
リンダは微笑んで。
「ええ、お嬢様はこの国で一番美しいです」
と言ってくれた。
いや、一番はないかもしれない・・・
でもトップ10には入りそうなぐらいの美女よね。
鏡を眺め、上機嫌な私を、
リンダは微笑みながら、髪を整えてくれた。




