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愛を信じられない令嬢は、王太子殿下に心を溶かされる  作者: あいら


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クリームを開発してから2年が経ち15歳になった。


レイチェル先生のおがげで、

だいぶん残念らしさはなくなってきていると思う。


少なくとも、元々得意だったダンスも合わせ、

淑女教育については満点をもらっていて、

王都のどこに行っても大丈夫と判を押してもらっている。


私としては、人を信じきれないというか、

裏表を読んだり、駆け引きに慣れ過ぎて、

少し複雑な気持ちになるが、

純粋な女では王妃など務まる訳がない、

貴族女性をまとめ、官吏とも渡りあうには、

それなりの泥も被る必要がある、

今ではすっかりそんな覚悟もできてしまった。


もっとも、それらの知識や経験は、

王妃として発揮するつもりはなく、

商人との駆け引きで発揮するつもりである。


勉強に無駄などない。


レイチェル先生には感謝である。


クリームだが、開発にはさほど困らなかったが、

元々養蜂は盛んではない土地、

地元で食べる分ぐらいしかなかったので、

王都で広めるとなると、

養蜂を盛んにする事から始めなければならなかった。


なので、一気に知られ

知名度が上がったりする事はなく、

他国から珍しい物を手に入れる時など、

ここぞという時に取引に使われる商品となっている。


もちろん、私は日常で使っており、

おかげで肌はぷるぷる、美少女健在である。


そんなある日、夕飯時父から話があった。


「実は、王都へ行く事になった」


「あら珍しいですわね」


父が王都へ行くのは、社交シーズンのみ、

それも最短期間なので、

社交シーズンでもないのに、王都へ行くというのは、

よほど重要な目的ができたという事になる。


「ティナも一緒だ」


「私もですか?」


「ああ」


少し悩む風をみせる父に、

ゆっくりと次の言葉を待つ。


「王妃様がクリームの事を知られたらしい、

 ぜひ手にしてみたいと、

 そして、開発したティナにも会いたいとの事だ」


他国の取引でクリームを渡していたので、

おそらく他国の商人からクリームの情報を

手にいれられたのだろう。


「分かりましたわ、王宮へ行くのですね」


「ああ、すっかり頼もしくなったな、

 今では一人前のレディだ、

 堂々と王妃様とお話するといい」


王妃様はお優しくて、人格もしっかりしている、

素敵な方だとレイチェル先生から聞いている。


王妃様がクリームを使って下さって、

気に入ってくださったら、

一気に王都の社交界でクリームが知れ渡る。


大量生産ができないのが辛い所だけど、

まずは、貴重品として、少数だけ売ってもいいかもしれない。


「それと、あんなに会いたがっていた王子に、

 会えるかもしれないよ」


「それは楽しみですわ」


お顔を見て、姿絵通りイケメンなら、推しとして拝むのはありだけど、

王妃候補としては距離を置きたいわ。


という気持ちを笑顔で上手く隠して、父に応えるのだった。

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