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星人の旅路  作者: 華世
炎都ソルヤ
89/89

89.輝石は見せた

屋敷の周りは、似たような大きな屋敷や大きい家が多い。

いわゆる上級階級に近い位置だろうか。ララナの家も、もともと商家だという話だし城からもほどよく近い。ただ、少し先に足を伸ばすと露店や市場とは違い店として建物を構えている商業施設が多い。


多くの警備兵たちの足取りを見ながら、少し高い場所に行くことにする。

近くの坂を上ると、先ほどよりか視界が広がり人々の行動がより分かるようになった。


「ねぇ、シェリィラ」

隣にいる相棒に声をかける。僕のこのモヤモヤを、彼女も感じているだろうか。

「どうしてか、ララナもイグルも……こんなにも願いが僕に伝わってくるのに……」

言葉にするのが、難しかった。

シェリィラはそっと空を見上げて指を指した。

どうやら星神は僕が望む答えを持っているようだけど、僕もシェリィラもその答えを自分で導き出す必要があるようだ。

ふっと息を吐き出し、気合を入れる。

僕がやること、やれることを考えていく。

「兵の動きや、人々の動きは自然なように見える」

少し見ただけで分かるわけがないのは分かっていた。


「魔法……このソルヤでの立ち位置はかなり高い……」

一度イグルに聞いてみるか、……イグルにもらった輝石を使って城に入らせてもらうか。

ここですぐさま出る成果はないだろう。気になることもあることだし、一旦は方向性を変えることにする。



城の入り口の衛兵には昨日イグルからもらった輝石を見せる……見えていないようだったので、ぺこりとお辞儀をしながら入らせてもらった。つくづく星人としての特性がすごいことを肌で実感する。

入口が狭いだけで中は思ったよりも広く、ものすごく工夫が凝らしてある作りだった。崖を削りとってできた城かと思っていたけれど、先の方で上空から光が見える。太陽の光を浴びる設計がきちんとされているんだろう。

僕は気になっていたことを調べるために、その場所を探して端を歩いていく。

気になることはもちろん魔法兵に関して、と、イグルに会えればと思ったけれど城となると衛兵が多すぎて扉も開けることができない。

質実剛健な作りで似たような作りと廊下が多い。初めて来た人は迷うこと間違いないだろう。


暫く歩いていると、前からイグルの護衛のギャランと同じ制服の青年が歩いてくるのが見えた。

二人とも腰に剣をさし、同じ制服なので役職は似ているのかもしれない。

ぶつからないようにそっと避け、イグルのところに行くかと思い少し後を追わせてもらう。


「今日は殿下の護衛じゃないのか?」

「……珍しく部屋で集中して仕事をすると言い出したので」

「追い出されたのか」

「……最近はよく外に出ていたからな。溜まっていた仕事に焦ったんだろう。私も自分の仕事ができる」

話を聞く限り、イグルは部屋で仕事をしているということは今日はもう会えないだろう。

そう思いながら足を止めようとした瞬間、二人の会話が僕の気になることへ変わっていった。


もう少し、もう少しだけと僕は足を進めていく。


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