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星人の旅路  作者: 華世
炎都ソルヤ
83/89

83.必要な情報収集

「まだ、できないということは、いつかはできるということか?」

「……そうですね、ただ今じゃないということだけは……感覚で申し訳ございませんが」

「そうか……」

イグルの表情が陰ったことに気づいて申し訳なくなるけど、僕とシェリィラの意見は変わらない。シェリィラもまだその状況ではないと伝えてくれている。


「いや、まずリノという星人に出会えた奇跡だけでもすごいことだ。私も地道にできることを探してみるよ」

「はい……儀式ができるようになった場合は知らせたいのですが、どのようにすればいいのか」

王族の居住区に行くのは憚られるし、いや行こうと思えばきっとどこにでも入りこめてはしまうけれど。


「私のこの輝石を渡しておこう。ソルヤの紋が刻まれていて見せれば大体のところには入ることができる。まぁ、いらないかもしれないが名目だ」

「……ありがとうございます」

なにからなにまでバレている気がしてならない。というよりイグルは人の考えていることを読むのが上手い。それは王族特有の機微なのか、それともイグルの天性のものなのか。父親から好かれていないと自分で分かるほどだ……環境による影響も大いに関わっているだろう。


「それか私に会った時に伝えてくれ」

「えっと……?」

「いつでも来ていいんだろう?」

「!……はい」

イグルが自信気に手の甲を見せ笑って言ってくれた。僕の加護がある手の甲があれば自由にこの家に入ることができるという意味を最大限活用してくれるみたいだ。

彼の行動は読めないけど、きっと最大限自らの願いを叶えようとするだろうし、いままでもずっと努力を重ねてきたんだろう。僕自身も早く王族関連の願いは早めに対峙したい気持ちもあるけれど、情報を集めて整理しなければならない。儀式ができなり理由も含めて知る必要がある。それが僕の役目だ。


「さて、そろそろお邪魔する。外で頭の固い護衛が待ち構えているだろうしな」

「ははは……」

マントとフードを着直しながらも、帰るまでの予定をイグルは呟いていた。

「腹もすいたことだし露店で何か買って食べるか……ただ、ギャランが毒見と煩いのでな、温かい料理をかじられずに食べたいものだ」

「そういえば、僕も料理の途中でした。何を作ろうか……」

『……』

お互い無言で目を合わせてしまった。

僕は咄嗟にすぐ目線を外した。相棒は相棒で、首を振って肩をすくめていた。違う今のは会話につられただけで、誰か嘘と言ってくれ……っ!


「……リノは、料理が作れる?」

「…………いえ、……修行中で……」

「へぇ……」

すたすたとイグルが移動を始めたものだから、僕は慌てて後を追う。こ、ここは星人の仮宿なんだけど!?こうも堂々と歩かれると、あれ?誰の家だったかな?と思ってしまうからよくない。まだここに来て日が浅いこともあって自分の家という気持ちにはなれなかった弊害かもしれない。

「イグルッ!護衛の人は!?」

「ここまで遅くなったならあともう少し遅れても一緒だろう」


一緒じゃないだろう……僕と相棒の気持ちが一緒になった瞬間だった。

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