70.不法侵入
星人が願いの時に動くのは一番能力が高くなる星がよく見える時間だ。ただ、手紙の内容だけでは儀式を行う調整などが難しいので、一旦日中に会うのが望ましい。
手紙の内容的に二通目の色付きの封筒が早めに叶えないといけない予感がするため、その差出人へと会いに行き詳細な話を聞くことにした。
星人の存在認識には一定の条件がある。
星人の存在を見える人は少なからず願いがあるもの。
星人だと直感的に分かったり、はっきりと星人が見えている人は願いが強いもの。
声を掛けないと存在を認識できない人は、少しの願いがあるもの。
そして、存在を気付けない現状に満足しているもの。
最後に当てはまるものはほとんどいない。
例えば一生を満足して死を待つような存在だけかもしれない。
この星人の認識は変わることはない。通常でこの認識のため、少し存在を隠そうと思えば星人の力で隠せるけれど願いのあるものの見えるというものは消して変わることはない不変だ。
だから、この能力を生かして今回は……大変申し訳ないけれど不法侵入させていただいている。
そう、不法侵入だ。
大きなお屋敷の、門を誰かが通るときに一緒に通り、そのまま門番も素通りして屋敷のなかに入るという立派な不法侵入。泥棒がもしこんな認識できない存在だったら色々なものが盗み放題で大変だろうなと思ってしまった。泥棒じゃないからいい……いややっぱりよくないけど、二通目の手紙はこうしないといけない理由があった。
差出人は…………軟禁されている可能性がある。
今現在、外に出ることを禁じられている恐れが高い。
手紙にはもうすぐ軟禁されるかもしれない旨が書いてあったため、僕は事の深刻さに差出人の家へとこっそりお邪魔している。差出人の精神状態次第ではなかなか危ない状態かもしれない。
屋敷に入れたのは良かったけれど差出人の部屋がどこか分からない為、メイドや使用人、行きかう人々の声を重点的に聞いていく。
「お嬢様……またほとんど料理を残されたわ」
「……この数日ほとんど食べていないじゃないか……身体を壊してしまう」
「旦那様の怒りはまだ続いているのか……」
「えぇ……私はお嬢様が少しでも安心できるように、香りの良い紅茶を準備するわ」
「僕はコックに食べやすい料理にしてもらうよう伝えに行く」
それぞれ役目を確認していたメイドと使用人は各自の目的のために動くようだった。話を聞く限り、メイドの彼女が今回の差出人の“お嬢様”に一番近いと思い少し後ろを歩かせてもらう。




