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星人の旅路  作者: 華世
炎都ソルヤ
68/89

68.不思議な夢

仮宿に着いた頃には夜中に差し掛かっていた。

疲れた身体を叱咤して、一旦砂埃や汗を洗い流すことにする。仮宿はそのあたり充実しているので本当にありがたい。


さっぱりしたところで、眠気が来ている僕は明日の相談をしようと必死に瞼を開けるようにしている。

「……明日は、手紙の……一件、行けるといいな……でもその前に食材補給も……必要かな」

今日は逃げたり緊張したり、色々だったなぁと考えながらも思考がふわふわしてくる。

いつ眠ってもいいように二階にあった寝室のベッドに座りながら話していたけど、もう眠ってもいいかもしれない。この仮宿は他者からの侵入を恐れなくてもいい数少ない安心できる場所だ。


「相棒……シェリィラ、おやすみ」

また明日……そう言いながら横にすっと倒れてしまった。まだ意識はぼんやりあったけれどもう眠くて動けそうにない。シェリィラが仕方がないなぁと笑いながら倒れた僕のまだ乾いていない髪をタオルで拭っていた。乾かさずに寝ると明日酷い髪の毛だよ、と散々言われてきたのに……ごめんねでもありがとう。おやすみ。

僕はそのまま深い眠りへと落ちていった。



普段僕は夢をほとんど見ない。いや、覚えていないだけなのかもしれない。

今度アルドに会ったら聞いてみよう。

星人は夢を見るのかどうか。


今日みた夢はなんだかとても不思議な夢だった。

誰か分からないけれど、不思議と安心する声が聞こえる。

安心する声って分かるのにその声は聞こえない。夢だからだろうか。

顔が見たいのに目が開かない。眠っているからなのか、でも夢なら関係ないはずだ。

どうしても僕は目を開けて、声の主を確認したかった。

優しい声は聞こえないのに、涙が出そうになるほど嬉しくなった。

近くにいるようで……遠い。

手を伸ばしても触れられない。きっと近くにいるのに。

そんなもどかしい現実味がない夢。

でも見れてどうしてか嬉しかった。



身体が揺さぶられて、僕はまどろみから抜け出した。

まだ思考が定まらず目もしぱしぱしているけれど、どうやら相棒がいつものように起こしてくれたようだ。

相棒を見ると楽しそうに僕を起こしている。そんな少しいつもと違う彼女の様子を考えてみると、どうやら早く僕を一階に連れて行きたいようだった。昨日もこの反応を見たので、これはきっと……朝ご飯を作ってくれている予感がする。

いつもの野営の時は野菜洗って千切ったり折ったり切ったりして基本は煮込みばかりなので、相棒もあの本のように少しは料理……に見える朝ご飯が食べたかったのかもしれない。

うん。僕も頑張ろうと思う。


そうして相棒に背中を押されながら僕は一階へと向かい、顔を洗い朝食が用意してあるテーブルの前のソファへと腰掛けるように促された。これは僕は流されすぎなのではないだろうか。朝は起きれないのが申し訳ないが、朝ご飯以降作ることがあれば僕が作ると主張しておく。

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