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星人の旅路  作者: 華世
炎都ソルヤ
64/89

64.分からない水管の場所

この都市の一番奥にある城が、近づくにつれて全貌が分かるようになってきた。山に溶け込んでいる城なので遠くから見れば山にしか見えないのが面白い作りだった。くり抜き?かなり精巧な作りで、山の中腹から削り取って、その土材なども活かされているのは色を見れば一目瞭然だった。


その山城の前には川が流れている。これは城の入口が目視できるところまで来ないと分からないことだった。その川はきっと近くの運河から枝分かれしたものだろう。城へ訪ねようと思うとまずこの川に阻まれるため、防衛策としてはかなり完成されている。この川を渡るには、目に見える範囲の数か所の跳ね橋を使う必要があるのだろう。夜闇の中では跳ね上がっているが、明るくなれば橋はおりるはずだ。


手紙の夜半と日々待つから分かるのは、夜に毎日……ということだろう。つまり跳ね橋が上がっているのは分かり切っている為、橋は渡る必要がないということ。

近くをぐるりと見回してみるが、目に見える範囲では管のようなものは見えない。暫く相棒と共に考えていると、目の前をゆるりとした……それに加えて精密な刺繍と繊細な折り返しをしている綺麗な布を身にまとった人物が数人ランプを持ちながら暗闇の中を歩いてくるのが見える。どうやら一様に服装なので制服のようなものだろうとあたりを付け、彼らの後をそっと追うことにする。


「明日にチェックする予定の水管の鍵を見直しだとよ」

「いつもしてるじゃないですか。どうしてこんな夜に」

「上からの指示だからな。急に気になったんじゃないか?鍵がかかってればいいんだから終わったらすぐ飲み行こうぜ」

「先輩のおごりですね!ありがとうございます」

「言ってねーーだろこら」


……運よく目の前の人物たちが水管の確認に行くようなので、星人の特性の認識しづらいことをいいことに後ろをお供させていただくことにする。

彼らと共に川の流れに沿って暫く歩くと、階段が現われた。隠しているわけではないようだけど、知らないと分からないぐらいの見え方だった。

一歩ずつ慎重に階段を降りると、そこは柔らかい光に包まれた広々とした空間が広がっていた。あくまで山や土を削っただけのようだったけれど、その基盤はしっかりと均してありよっぽどのことがない限り崩れることがないだろう。城の作りとほぼ同じ……むしろ一緒かもしれない。


地下空間と言えばいいのか、つまりこの場所に水管があるのだろう。

彼らは鍵がかかっているかだけの簡単な確認だけだった為か、奥からすぐに出てきた。

僕は階段下に身を隠し、息を潜める。

見えていないと分かっているけれど、もし見える人がいたら面倒だからだ。そう動くのは習慣のようなものだった。


奥に進むと一番から五番の水管は一目見てわかる仕様になっていた。鉄の棒と金網に覆われている檻のような入口には錠前がついており、鍵の確認とは気安く入らないための予防策だろう。少し触ってみるもきちんと閉じられていることが分かる。


そして暫く歩いてみたけれど、七番という数字は見つからなかった。

ちなみに六番も見つかっていない。主に使用されているのはどうやら一番から五番のみということだろう。

ただ、どうしてだろうこの近くに……確実に六番も七番も、もしかしたら別の番号もあると思えて仕方がなかった。それは相棒も同じようだった。

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