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星人の旅路  作者: 華世
道すがらⅡ
36/89

36.本を借りる

テントを畳んで、相棒とヴェンディーを歩いてみる。

先ほどの話の通り、紋様外は大きな露店が多いようでそもそもテントがないエリアのため整然と並んでおり、人通りも多く活気があった。紋様内は小さい露店が多く細々としており、よく見ると地面に敷物をひいて、簡単に工作したものを売っている小さい子どももたくさんいた。

補助道具を買える人は広い場所で、買えない人は図書館周りで、そのような仕組みになっているようだった。

見たところこのヴェンディー目当てに来ている人もいるようで、かなり有名な宿場町の慣習のようなものだろう。初めて訪れる人はまず砂上図書館に行って注意事項を確認、そうしてこのヴェンディーを楽しむようにできている。繋がりが上手いので紋様の仕組みを作った人と同一人物なのかもしれない。


ヴェンディーを歩きながら、砂上図書館へと辿り着いた。

昨日の司書の青年が言うとおりであれば、また同じ場所、奥の方……本が積み重なった机の近くに青年はいるはずだ。一旦は青年がいるかどうかを確認してから借りる本を探そうと思う。


今日の図書館は昨日よりは時間の違いなのか人がいる。そして子どもから大人、老人まで、そして種族までもが分け隔てなく開け放たれていることが分かる。

種族の問題はその土地間によっては平等……とは言い難い場所もあったりするが、この土地、少なくともこの場所は何者にも開かれているようだった。


司書の青年は昨日同様の場所にいた。


無事にいることを確認できたので、これから行く宿場町の図書館の間で借りたい本を選ぶことにする。

相棒とは本を選んだら青年の近くの本棚の前で集合と決めた。


僕は昨日目星をつけていた言語の本と花の本、星の本の場所へと迷わず進む。持ち運ぶことを考えて、小さくて軽めの本……そして少しだけ詳しい内容が書かれている本を選んだ。再び、何か興味がある本はないかと題名を流し読みしながら来た道を戻っていく。

相棒も既に選び終えていたらしく、借りる予定の二冊を僕に預けてくれた。まだ青年が僕のことを星人だと気づいていない手前、相棒が自ら姿を見せることはない。

相棒は僕以外には存在が気づかれない程度に調整し、一緒に付いてきてくれる。


「……では、この5冊ですね……」

本を差し出すと、司書の青年はさっと5冊の本を捲っていき手元の紙へと素早く何かを書き写している。

「それでは……こちらに、二箇所署名を」

本を借りるための紙には、主に注意事項……最初にあった紙と同じ事が書いてあった。そして、記入するところは名前と、どの宿場町で借りたかの二箇所。

僕は『リノ』と自分の名前を書き、この宿場町の番号、『一宿場町』と書く。分かりやすく宿場町の番号が図として記してあるので迷わずに記すことができた。


二箇所の署名を終えて、司書の青年へと手渡す。

ここまでの流れで、やはりこの司書の青年は僕のことがはっきりと見えていることが分かる。

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