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星人の旅路  作者: 華世
道すがらⅡ
34/89

34.砂漠での夜

本を借りるのを明日にする予定は伝えているので、話す機会はすぐに訪れるだろう。気になる司書の青年に後ろ髪を引かれながらも、その場を後にする。

思ったよりも広い図書館たった為、明日もう一度一周まわってから本を借りようと思うので今日は退出することに決める。

相棒を探そうと、入り口の方へ向かうと目を輝かせた相棒が丁度歩いてきたところだった。本を借りるのは明日と伝えていたので、その手には何もない。スフィは自分の存在を強くすれば物にも触ることができるので、なにか面白い本があったのかもしれない。

「どうだった?」

いつも以上の力でここくこくとした動きの頷きが返ってきたので楽しめたようだ。

この場で色々話したいこともあったけれど、もしあの司書さんが入り口の方へ歩いてくることがあれば、僕が相棒と話しているのにまるで独り言を行っているように見えるかもしれない……そうした面を防ぐためにも、図書館から外に出た。


外を出てみると思ったよりも時間が経過していたようで、それぞれ大中小様々なテントに明かりが灯り、光が溢れて幻想的な雰囲気へと変化していた。まだ眠る時間には早いようで、少しだけ話し声聞こえてくる。それがまた、人々への安心にも繋がっているように思える。


僕たちも野営用のテントを鞄から引っ張り出し、なるべく地面の紋様の端を確保する。紋様は力が強いところもあれば弱いところ、綻びがどうしても出てきてしまうのでその部分にテントを広げて星人の補助の力をテントにかけておく。これでよっぽどのことがない限り、害獣が襲ってくることはないだろう。


テントの中に入り、シートの上に簡易的な絨毯を引き地面の砂の硬さを緩和させる。ここでは周りに合わせるようにカンテラを出す。小さい火だけを相棒に点けてもらい、テントの上部へと吊るし明るさを確保する。

ようやく落ち着いたので、相棒と携行食を食べながら砂上図書館にいた司書の青年の話をした。

明日、本を借りる際に会えるということで、もう少し青年を観察することにした。願いの判断基準はとても繊細なことだ。無闇に力を使っていいわけでもなければ、星人()から声をかけることはポストの手紙以外ではとても稀なことになる。


ふと気づくと、辺りのざわめきも次第に小さくなっていき、それぞれ就寝であったり静かな時間に変わり始めているようだった。周りが静寂に包まれ始め、砂漠特有の静けさと、風の音、そして砂の音が混じり合い穏やかな空間を紋様の上に作り出していた。



僕と相棒もお互いに挨拶を交わし、眠りにつく。

この広大な星空の下で、爛々と輝く星に見守られながら。

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