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星人の旅路  作者: 華世
オアシスの街カルゾン
28/89

28.会えていない人

この洞窟、恐らく最奥である場所はノームたちによって隠されていた為入ってくる害意は限りなく少ないはずだ。ただゼロではない為、僕とアルドで交互に見張りをすることにした。僕の補助の力によって僕たちとフォーリスの場所を囲うように感知が強い空間を創り上げてみる。もし敵意ある何かが近づけば空間に弾かれて僕たちにも伝わるようにした。

「リノのそれ、すっごい便利だよな」

「うん。旅にはかなり使えると思う。ただ戦闘能力はからきしだから……はは……自衛の一種だよ」

「戦えたって常に神経研ぎ澄ませるのも疲れるからな……こればっかりは適性だから文句言えねーけど……」

星人は個人それぞれ適性があり、最初に調べられる。僕のように補助に特化した者や、アルドのように攻撃に特化した者……他にも索敵に特化した者や防御に特化した者など様々だ。これらの適性は星人を治めている長と一番力の強い星人、アヴェルティが教えてくれる。

長とアヴェルティからは星人としての知識や星人としての常識を教えてもらったので、星人にとっての2人は家族のような、それ以上の絆で結ばれていると思う。


「そういえば、長やアヴェルティには最近会った?」

「んーいや、前の集まりから会ってない……気がする」

「そっか。僕も前の集まり以降会ってないんだ。時間が空いて久しぶりに会うと、会ってなかった時の星人としての行動を採点される気持ちになって緊張するんだよね」

2人は世間話してるだけだと思うけど、会話の端々で自分って大丈夫かな?と気にしてしまうんだ。

それはアルドも同じみたいだった。

「じーちゃんとアヴェルは……なんかこう、言葉で言えない……けど、うん、なんかちょっと引き締まるよな。喋ると」

そうそう、とお互い頷きあって笑う。アルドとも星人の集まり以来なので、本当に久しぶりだった。定期的に開催される集まりは、数年ないときもあればすぐに開催されることもある。

昨夜だけじゃ到底話し足りないことを話しながら、どちらが先に見張りをするかを決めてそれぞれが洞窟での一夜を過ごした。


朝、相棒に揺さぶられてゆっくりと目を開こうとするよりも先にいい香り飛び込んできた。いつも早起きのアルドは見張りから引き続きでディルと一緒に朝食を作っているようだった。僕は、起きられず手伝えなかった為に片づけは率先して行おうと決める。

「おはよう……美味しそうな匂いだよ」

「おーおはよう。もうすぐ完成だからちょっと待ってろよー」

「リノ様、相棒様、おはようございます。今日もリリが張り切って皆さんの分を作っていますのでお気になさらず」

「おい、ディル聞こえてるぞ!リリっつーな!」

「はいはい」

アルドは僕と相棒とディルの分、それと食べやすいものを別にフォーリスに作っているようだった。

フォーリスが眠っている方に目を向けると、そこにはまだ横になって休んでいる様子が見て取れた。僕たちが朝食を食べ終えるまでに起きないようであればそっと起こしてみよう。

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