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星人の旅路  作者: 華世
オアシスの街カルゾン
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14.空気が読めない男

目の前に広がるは目的地のカルゾン。

オアシスの街と呼ばれるだけあって、水源を中心に街が円形に広がっている。今日中にたどり着かないだろうと思っていたけれど、ネーベルフの長の走りはすごかった。

森の木々をものともせず高速移動、いつの間にか森を抜け地面は砂地へと変わっていた。ここで降ろしてくれれば大丈夫と言おうとしたところ、長は霧の力を使い更に速さを上げた……。力の使い方はあの群れの長なだけあって、細かな制御をしており足元に霧を常時発生させ足場の砂を固めて速さを上げるという……森よりも障害物がない分速度が上がったと感じた。乗っているこちらとしては振り落とされないよう必死だった。相棒は極限まで存在感を消して僕にしがみつき、楽しそうに長が進む砂の勾配を楽しんでいた。


「大変な目に……あった……」

長はカルゾンが視界に入る位置で止まり、僕たちを降ろしてすぐにグラデーナ森林へと戻って行った。身軽になった長はあっという間に僕たちの視界から消えてしまった。

残された僕たちは一歩一歩と慣れない砂地を歩み、日が沈む直前までになんとかカルゾンへと辿り着いた。


へとへとな身体を叱咤して、なんとか宿を見つける。旅人用の簡易宿もあったけれど、そういった宿はご飯を自分で作る場合がほとんどであり疲れていて料理を作りたくない気持ちが勝った為、料理込みの少し安めの宿へと移動した。


木造建築で造られたであろう宿は、温かみがあり全体的にとても雰囲気がよかった。僕は受付へ宿泊したいこと、夕飯をいただきたいことを告げて500パレンを渡すために財布袋を荷物から探す。


「リノ!!!!」

僕の名前が宿の一階、恐らく奥の食堂であろうところから聞こえた。この夕暮れ時、安めの宿屋、星人の名前を呼ぶ人物、今日は本当に奇跡的な出会いが多いなと思う。

そっと食堂の方へ受付から頭をずらすと、そこには予想通りの人物が満面な笑顔で立っていた。

「すっげー偶然だな!あ、お前もここの宿?んじゃ一緒に泊まろうぜ!おねーさん、俺の部屋こいつも泊まるから!あ、リノお前今からメシ?一緒食おーぜ!丁度食べ始めるところで席取ってるからさ!!」

「え、あ、久しぶり、え、……一緒?ま、待って……」

怒涛の勢いで話されて、少し止まってほしい。あと感動の再会の時間もほしかった……。

そのまま全部手続きを終えてしまい、部屋代の追加の200パレンまでも気付いたら払い終わっており、ずるずると食堂へと連れて行かれる。せめて、せめて身体を清めたかった。


「よし、リノと再会したからには高い酒飲もうぜ!リノも飲むだろ?」

「いや僕は……」

「こんの、バカリリーーー!!」

やっとストッパーが来てくれた……僕は途方に暮れながらも、バカリリと呼ばれた青年を盛大に叩いている少年に待ってましたと伝えたい。

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