29ばれた?
私はガロンに食事をさせるとガロンはお腹がいっぱいになったのか話を始めた。
「きゅきゅきゅ。りゅりゅりゅぅぅぅ」(アリーシア寂しかったよ~僕の事忘れてたの?)
「ガロン忘れるはずないよ。それにねガロンの言ってたこと、教会のシスタークレアが私の出生の事を知ってたの。ガロンの言う通り私はフローラの子供らしいわ。でも、なんだか実感がわかなくて…だって生まれた時から親はいなかったし」
「きゅぅぅぅぅ~」(アリーシア大丈夫?)
「ええ、なんだかおかしな気分なの。だって両親はコルプス帝国に殺されたって事でしょう?それなのに私はこうやってコルプスの騎士団で魔獣を退治したりして…」
「きゅきゅきゅきゅう~ぎゅるぅぅぅぎゃふぎゃぎゃうぅぅぎゅぎゅぎゅうるぅ~」(だからアリーシアが元の国の女王になればいいんだよ。魔獣はアリーシアがいれば浄化できるんだ。そうすれば魔獣はただの獣に戻るはず。そして樹海は元に戻ると思うよ)
ガロンはかなり興奮して言う。
「ガロン少し落ち着いて……って。私が魔獣を浄化できるの?」
「きゅきゅるぅぅ~きゅぅぅ~うきゅっ!」 (当たり前だよ。僕と力を合わせれば魔獣なんてすぐに元の獣に帰れるはずだよ)
「それに魔樹海も元に戻る。これってすごいんじゃない?でもそんなの無理だよ」
私はあまりに素晴らしい話にそんなバカなと信じられるはずもなく。
「ぎゅきゅきゅ…」(アリーシア)
「とにかくこの事はガロンと私だけの秘密にしよう。私がイエルハルド国の女王の娘だって分かればただでは済まないわよ。見つかれば殺されるかもしれないんだよ」
「ぎゅっ!ぎょぉぉぉ~」(うそ!いやだ~)
「でしょう?だからガロンはここで大人しくしてちゃんとみんなの言うことを聞いて。ご飯だってちゃんと食べなきゃだめよ。私だっていつもすぐに来れるとは限らないんだし」
「ぎょっ。きゅきゅきゅるぅぅ~」(いやだ。毎日会いに来てよ~)
「それはガロンがちゃんとしたらよ。こんな事ばかりしてたらもう来てあげないわよ」
「きょっ!ぎゅるぎゅるぅぅぅ~」(わかった。ちゃんとするから~)
「分かればいいの。いきなり食べたから…どう、大丈夫?」
「きゅっ、きゅきゅきゅぅぅぅ」(うん。もう少しここにいてよ)
「いいわよ。ほんとに甘えん坊ね。うふふ」
私はすっかりくつろいでべたりの横になったガロンの顔や手を撫ぜる。気持ちよさそうに目を閉じてそのうち寝息を立て始めた。
私はそっと獣舎を出た。
そこにアランが走って来るのが見えた。
「アラン?」
「アリーシア?どうしたの?」
「アランこそ」
「僕、パパに忘れ物届けに来たんだ」
アランの手には書類が入っているような大きな封筒があった。
「そうなんだ。偉いねアラン」
「うん。そうだアリーシア。ピクニック行こ!」
アランが元気いっぱいの声で言った。
「ああ、そう言えばお昼も近いわね。でもねアラン今日はピクニックの準備してないんだ。だか「いやだ。僕おりこうしてたよ。今日はお天気もいいしお庭でピクニック。ネクノさんに行って準備してもらう。だからいいでしょ?」…」
「じゃあ、パパに聞いてから、一緒にパパのところに行こうか」
「うん」
アランは張り切って騎士隊の建物の中に入って行く。
「おっ、アランどうした?」隊員が声をかける。
「パパの忘れ物です」アランは大きな封筒を見せる。
「そうか。偉いなアラン。パパは二階だ」
「は~い」
アランと一緒に隊長室の前に、アランが扉をノックする。
「はい、どうぞ」
「パパ~忘れ物」
「アラン?ありがとう。持って来てくれたのか」
リント隊長の顔がでれぇとふやける。
「うん、あのねパパ「あれ、どうしてアリーシアが?」一緒にピクニック行くの。パパも行くでしょ?」
アランはものすごくうれしそうな顔で言った。
リント隊長は目をしばたいた。
私は急いで説明をするが。
「ああ…でもアラン、アリーシアさんは忙しいんだ。さっきもガロンの世話をしてもらったんだ。そうだ。俺はアリーシア君に聞きたいことがある。アランお使いありがとう先に帰っていなさい!」
「やだ!ピクニック行く!」
「隊長。アラン君もこう言ってるんです。話はまたにして私一緒に庭でピクニックしますから」
「いや、どうしても聞きたいことがある。アランいいから今日はだめだ。またちゃんと都合を聞いてそれからな」
「パパきらい!」
アランはふてて部屋から出て行く。隊長は後を追って外にいた騎士隊員に声をかけた。
「悪いがアランを家まで連れた帰ってくれ」
「了解しました。アラン待ってくれ。一緒に帰ろう」
隊員がアランを追っかけて行く声がしてすぐに隊長が部屋に戻って来た。
「話はガロンの事だ。さっきガロンと話をしてたな?あれは一体どういう事なんだ?」
私は脳内が真っ白になった。




