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第1話 出会い

 世間から見たら短い、だが俺にとって濃く長かった17年ちょっとの人生は、今ここで終わりを迎えようとしていた。


「万事休すってやつか……」


 身長30メートル程の巨大男が、電柱を俺に向かって振り下ろしている。


 気づいた時にはもう目の前に電柱。

足の速さが自慢の俺でも、これは流石に逃げきれない。


 当たったら終わり。それで家を粉砕していたシーンを見ていたんだ。そんなの考えずともわかる。


 なぜこうなったのかって?

そりゃ、不覚ってやつだな。



走馬灯――

襲われる15分前――


 人口100万人、都ノ杜市(みやこのもりし)

日本国内でも田舎と揶揄される北東地方の中では、最も栄えている都市。また、自然に恵まれ、古くから神や精霊の伝説が多く残っている。


 10年前、この都ノ杜市(みやこのもりし)にある歴史研究所爆発事故が起きてから、市民の大多数は超能力を使える能力者(ホルダー)となった。


 爆発及び、超能力を使えるようになった理由は今でも不明らしい。


 今住んでいる市民だけでなく、新たに産まれてくる子どもたちも超能力を発現するようになった。


 能力者都市となってしまったこの街では、爆発後から再開発が進められると共に、突如得た能力により暴徒と化した能力者(ホルダー)たちの統治を行う組織が作られた。


 しかし、その組織も完璧ではなく、未だに日夜どこかしらで能力者(ホルダー)絡みのトラブルや戦いが起きているのが現状である。


 ……ここまでが、教科書に載っている内容だ。


 まるで都ノ杜市の全員が能力者(能力者)みたいな書き方をされているが、そんなことは無い。中には持たざる者もいる。


 教科書やニュースでは禁止用語みたいになってるが、持たざる者、非能力者は巷じゃ落伍者(アウター)と揶揄されている。


 能力者(ホルダー)でも、落伍者(アウター)でも、先の爆発事故から全員の人生は一変した。

 良い方に変わった人、悪い方に変わった人、両方いる。

 俺は悪い方に変わった側。能力者(ホルダー)の手によって、家族全員を失っている。


 だがその存在は世間にとって悪いことばかりでは無いらしい。昔は実現が難しかったことも、今は能力を使えば簡単に出来てしまうこともある。

 要は使い所を間違えなければ、危ない力もプラスになるって事だそうだ。


 俺、進堂アラタは落伍者(アウター)だ。

 今まで出会ってきた能力者(ホルダー)より身体能力は高い。(筋力超増強系の能力は除く)

それは人間の常識を超えるレベルでは無く超能力と呼ぶには程度が低い、なんなら爆発前からとても運動神経は良いとの理由で落伍者(アウター)との烙印を押されてしまった。


 まあそりゃあ素手で山を破壊したり、人の心が読めたり、超視力で10km以上先の山の頂上にある細かい数字が見えたり、動物を召喚したり、炎や水や雷を出したりって連中と比較したら『ちょっと力強くて足速い』は認められないよなとも思う。


 俺はよくバカにされて悔しかったが今は別に能力者(ホルダー)でありたいといった希望は無い。別に能力が無くてもできることはある。


 今の俺は、昼間は県内の公立高校に通い、夜は高い身体能力を活かし、この街と人を守るため活動するという生活を送っている。何かカッケー2足のわらじだろ?

 昔、俺が死にそうになっていた所を助けてくれた人みたいに、俺も誰かを助けたい。同期は純粋にそれだ。

 落伍者(アウター)は統治組織には属せないし、高校生が夜中に出歩いてるのはフツーに認められないから非公認で勝手に活動している。

 組織に知り合いがいるので少しは目を瞑ってもらって上手いことやってはいるが、当然ド派手なことは出来ない。


 俺はあくまでも組織側であることを示しながら、組織ではスムーズに動けない、かつ俺程度でどうにかなる事を中心にこっそり続けている。

 まあ組織に属しながらだと、大人子供に限らず色々なしがらみがあるので、俺はこの形が性に合っていると思う。

 

 この前は電車内で念動力スカートめくりをする青年を捕まえたり、瞬間移動者(テレポーター)の泥棒を捕まえたり、玄関ドア連続凍結事件の犯人を捕まえたりした。あと、落伍者(アウター)のフツーの万引き犯とかも。

 どれも危険度と能力の成熟性が低い人物によるイタズラ程度のため、俺でもなんとかなるが、武闘派の能力者(ホルダー)による暴走や大規模事件などは俺では太刀打ちできないし話にならない。


 今日は、パトロール中に能力者(ホルダー)による未許可の能力行使が確認されたという情報から、その対処のため現地に向かっていた。


「こちらアラタ、指定の場所に着いた」


 都ノ杜市の外れにある住宅街。夜中の時間帯になると出歩く人もいないエリア。


『こちらサナ! アラタっちおつかれ〜、また速くなったんじゃない?』


「今日はなんか調子良くてさ。あとサナ、その呼び方やめてくれ。普通に恥ずかしい」


『あはは〜、ふたりっきりなんだからいいじゃん!思春期〜?(笑)』


「なんか余計恥ずかしいわ。言わなきゃ良かった」


 インカムの向こうにいる少女は、サナ。

情報機器などメカニック系の扱いが得意で、自前で色々な機器を作成し俺をサポートしてくれている。

 サナも俺と同じく10年前の爆発により、両親を亡くし現在は孤児院で生活している。


 どうやら能力者(ホルダー)らしいが、何年経っても能力については一切教えてくれない。この前も聞いてみたが顔を赤くして逃げられた。意味不明(イミフ)


「というか…… サナ、目標が見当たらないけど」


『ええ〜? そんなはずないけどなぁ、私の自信作、能力者(ホルダー)ホイホイセンサーはその場所での未許可の能力反応を今でも検知してるんだけど……』


 ネーミングセンスは無視するとして、実績のあるこのセンサーに狂いは無い。

 能力者(ホルダー)の統治防衛組織に許可を与えられていない能力の行使を検知し知らせるという、サナお手製のセンサーだ。

 実は組織にもこんな機能のセンサーは無いらしい。


 作成時、組織のサーバーをハッキングして許可情報を抜いたと、少しムカつくドヤ顔をしていたサナは今でも覚えている。……バレたらどうしていたんだろう。


 そのセンサーが未許可の能力行使を検知したと出ているのだが、能力が使われている形跡などもないし、今俺がいるポイント付近には俺以外の人は見当たらない。


「なにもないし誰も居ない、誰も困ってる気配は無いんじゃ俺の出る幕は無いな。念の為この辺からパトロール再開するぞ」


 俺は住宅街の端の方へ向かって走り出す。


『わかったよ。んー、でもなんでだろ?』


 不思議がっているサナ。

メカに疎い俺には原因の検討もつかない。


「故障もしくは誤検知か? 初めてだな」


『私の自信作に限ってそんなことはないはずなんだけど……。う~~~ん、もしかして、上?』


「うえ?」


 サナの言葉通り、俺は目線を上にすると――


「サナ……。ビンゴだ」


 30メール近く上空に、人が3人浮いている。

 高校生位の少年が2人と、30歳くらいの気絶している男性が1人。暗くて顔はよく見えない。

 

 少年の1人は片手で男性の首根っこを片手で掴み持ち上げている。もう1人の少年は、その男性に注射器らしきものを刺し何かを注入している。


 なんだこのシチュエーション、どう考えても異常じゃないか? 俺の本能が全力で危険信号を出している。

 俺は咄嗟に家の影に隠れる。


『アラタ、誰かいた!?』


「ああ。でもこれ、とてつもなくヤバい香りがする。サナ、組織に通報しといてくれ。多分あいつらAクラスだ」


 クラスとは危険度のこと。Aは最高ランクSの1個下だ。


「……見られたっぽいな。消すか?」


 気づかれないよう小声でサナとやり取りしていたが、少年2人は俺の存在に気づいてしまった。


「どうせ顔は見えてない。それに、この一帯はこいつが破壊する。俺らが手を下すまでもない」

 

 少年たちは確かにそう言っていた。

 サナのお手製の指向性スーパー補聴器で何とか声は拾える。


 そして、少年は持ち上げていた男性から手を離す。

落下する男性、そして少年はなにかの合図を唱える。


「……アクティベイト」


「フフ、お前の作る更地を楽しみにしているぞ」


 そう言い残し、少年たちは姿を消した。

 

 数秒後、落下している男性の身体が大きく震えはじめ、目が大きく開く。


「ゥウウウ……ゥウウウ!!! アァアアァアアァアア!!!」


 叫び声と共に、急激に男性の身体が大きくなる。

大きくなった男性は、着地した勢いでそのまま家を押し潰した。


 俺は、着地時の風圧で家3軒分吹っ飛ばされる。

「痛ってぇ…… なんなんだこいつ」


 大きな物音に周囲の家の窓ガラスが割れるほどの風圧。近所の人たちも目を覚まし、外に出て状況を把握し始める。

 これはまずい。巨大化した男が住民を狙い始めたらさらに被害者が増えてしまう。


「みなさん! ここは危険です、早く避難を! 少しでも遠い所へ!」


 俺のその言葉を聞き、周辺の住民は急いで逃げ始める。


 巨大男の大きさは20メートルくらいか。で2階建ての家ふたつ分くらいの大きさはある。今は巨大化してすぐだからなのか動かずに肩で大きく息をしながら俯き立ち尽くしている。


「たのむ、このまま住民の避難が完了するまで動かないでくれ」


 俺は、逃げ遅れた人や動けない人が居ないか周囲を確認しつつ、サナに連絡を取る。


「こちらアラタ。サナ、巨大化した男が現れた。やっぱAクラスだ。組織の出動状況はどうなってる?」


 サナからの返答はない。


「こちらアラタ。サナ、聞こえるか?」


 返答はない。どうやら、さっきの衝撃でインカムがダメになったらしい。スマホや通信機器も画面が割れ電源が入らない。


「マジかよ……」


 連絡は取れなくなったが、サナの事だ、しっかりとやってくれているだろう。


 そんな中、巨大男はついに動き出し、周囲を見回している。

「ウウッ……、サラ、サラチ」


 さっきの少年の言葉を復唱しているのか?


 もしかして、ここ一体を更地にしようとしているのか。

 だとしたらとてもマズイ。住民の何人かは避難途中で、まだ巨大男の手が届く距離にいる。


 とにかく、住民を襲わないよう俺に気を引き付けておく必要がある。

 俺は、転がっていた瓦礫を巨大男の頭に向かって投げる。クリーンヒット。巨大男がこっちを向く。


「ウウッ、ウウ…… お前、ナニ」


「このデカブツが! こっちだよ、かかってこい!」


 さあ、この挑発に乗るか……?


「ウウウウウウウウウウウウウ!!!」


 乗ってきた、けど声の大きさと迫力がやばい。補聴器が壊れていてよかった。


「ほらほら! デカブツ、こっちだよ!」


 俺は、避難者がいる方向と逆に誘導しようとする。


「ウウウウウ、ウウウウウウウウウ!!」


 巨大男は追いかけてくるかと思っていたが、予想外の行動に出る。

 近くにあった電柱を引き抜いたのだ。


「ガアアアアッ!! サラチ!!」


 巨大男は、引き抜いた電柱を振り下ろし、俺の近くにあった家を粉々に粉砕する。

 普通の人間が金属バット振り回す感覚で電柱を使いこなしている。


「マジかよ。俺じゃ絶対敵わねーだろこんなの!」


 住民に矛先が向かないようにするためにも、組織が来るまで俺がこいつを引きつけなければならない。


「これは厳しい仕事だな」


 巨大男は、瓦礫を投げたり、電柱振り回したり、グーパンで家を破壊したり、やりたい放題している。

 身体が大きい割に、動きはコンパクトで早いため、気を抜くと一気にやられてしまう。


 巨大男を引き付け続け、数分が経った頃、俺は住宅街の奥にある、祠を祀っているエリアに来ていた。


 そのエリアは、なぜか岩や水辺が多く、足場が少ないため、走りながらバランスを取るのは難しかった。だが戻ると巨大男に潰されてしまうため、引き返せない。


 そして、最悪の事が起こる。

俺は突然何かにつまづいて転んでしまったのだ。


 巨大男の両手には電柱。それを振り下ろしている場面で俺は転んでしまった。


「くそっ、万事休すってやつか……」


 気づいた時にはもう目の前に電柱。

足の速さが自慢の俺でも、これは流石に逃げきれない。


 当たったら終わり。それで家を粉砕していたシーンを見ていたんだ。そんなの考えずともわかっている。




 ……だが、不思議なことに、振り下ろすその電柱は明らかに遅く見える、しかしそれを見上げる俺の体は動かない。


 そして、突如俺の頭には昔の楽しかった思い出、家族や初恋の人との思い出が流れ込んでくる。

 この現象、マンガやアニメで見たことがある、走馬灯ってやつか。


 俺は目を閉じ、強制的に流れ込んでくる楽しくも辛い思い出たちに浸りながら何も成し遂げられなかった人生を悔やむ。


「こんなので終わりかよ俺の人生……」


 そう、俺の人生はここで終わる。


 はずだった。


 走馬灯が一通り流れ終え、もうそろそろ潰されてもよい時間が経った頃、俺はある事に気づく。


 意識がある。


 もしかして、俺は死んでないのか?


 ゆっくりと目を開ける。


 目の前には、電柱を振り下ろす巨大男。さっきも見た光景だ。


 「時間が……止まった?」


 ……いや、違う。巨大男がずっと力んだまま、電柱を振り下ろそうとしているのを物理的に止めている何かがある。

月の光に反射した美しい花びら。それらが層になり、電柱を止めている。


なぜ、誰が止めているのか考えている暇はない。これを破られたら今度こそ潰されてしまう。


 逃げようと立ち上がろうとした俺は足元に違和感を感じる。足元を見た俺は自分の目を疑った。

 足元には丸まりながら寝ている少女がいたのだ。

 多分高校生になりたてくらい。薄紅色の着物を着崩した状態で、安らかな顔しながら大きな鼻ちょうちんを膨らませている。これは気絶しているとかではない、明らかに寝ている。


 どうやらさっきの俺はこの少女につまづいて転んでしまったらしい。

興奮状態の俺は大量の疑問が浮かんでくる。


 この子、つまづく直前まで絶対居なかったよな?


 どうやって現れたんだ?


 というかなんでこの状況で寝てんの?


 疑問は尽きないが、このままではまずい。相変わらず考えている時間は無い。この少女も放っておいたら潰されてしまう。


「おい、キミ! 危ないよ! 起きて!」


 少女の肩を揺らし、起こそうとするが全く反応がない。


「起きて! ヤバいんだって! 命が危ないよ!」


「うう……ううううぅ……」


 睡眠を邪魔された事がよほど嫌だったのか少し苦しそうな顔をしている。だが起きる気配は全くない。


「ああ! もう! とりあえず連れてくからね!」


 起こすことを諦めた俺は、とりあえず少女を抱えて逃げることにした。

 少女の姿勢を変え、お姫様抱っこで持ち上げる。


「うううう……誘拐かぁ?」


「人聞きわりーな。もしかして意識あんのか!?」


 少女は目を瞑ったまま、寝言のように喋っている。鼻ちょうちんはまだ出ているので寝ていると思う。


「ん〜……ない……」


「あるだろ!」


「すぴー」


 多分寝てるんだけど寝たフリしてやがる……。


「まあいい! そのまま暴れないで! 潰されちゃうから逃げるよ!」


「ん~? 寝かせろ〜」


 ここで、最悪な事に花のシールドが破られた。

そのまま、電柱を振り下ろす。


『ズドァン!』


 爆発でも起きたかのような音が鳴り響く。祠は跡形もなくなっている。

少女を抱えた俺は、間一髪でそれを躱す。


 巨大男は、少女を抱え逃げている俺に疑問を感じながらも追撃の手を緩めなかった。


 別の電柱を引き抜き、今度は広範囲で確実になぎ払えるように地面と水平にスイングしてきた。


  この攻撃は少女を抱えたままの俺の足では逃げきれない――

そう思った瞬間、少女の鼻ちょうちんが割れ、ゆっくりと目が開く。


「ん、どこじゃここは? というかなんじゃこの状況」


 明らかに寝起きのゆったりとした喋り方。そりゃあ何が起きてるか理解できないだろう。

 俺は必死に走り続ける。


「巨大男に襲われてる! 今逃げてる! このままじゃ俺ら死ぬ!」


「ん〜? なぜじゃ?」

 少女は寝ぼけているようだ。


「俺が聞きたいよ! とにかく逃げないとやばいんだ、ぶっ飛ばされる!」


「ほほう……? ならば、あの大きな男を逆にぶっ飛ばせばわしらは助かるのだな」


「ああ! もしそんなことができるならな!」


 ん、今この女の子なんて言った?

とんでもないことを言っていた事にあとから気づく。


「よかろう、ではぶっ飛ばしてやろう! 小僧、腕を伸ばし手のひらをあやつに向けろ」


「え? 何するんだよ」


 俺は、その少女に疑問を抱きつつも、指示通りしっかりと腕を伸ばし、手のひらを巨大男に向ける。

 巨大男の電柱は、あと1メートルの所まで迫ってきていた。


「まあまあ見てろい。ほっ!」


 少女の掛け声と共に、大量の花びらが俺の手から直線状に放たれる。

それは一瞬にして巨大男まで届き、奴を凄まじい威力で吹っ飛ばしてしまった。


「は……?」


 少ししてから、遠くでズシンと何かが落下するような音がした。方向的には泉ヶ岳の方。おそらく吹っ飛ばされた巨大男の音だ。


「よし。これで大丈夫じゃな。それでは、おやすみ」


 少女は、俺にお姫様抱っこされながら眠りにつこうとしていた。


「まてまてまてまて! なんだ今のは!? お前の超能力か? それとも俺のか!?」


「……」


 俺の大声により入眠を阻害され不機嫌な少女は、口をへの字にしながら、じっと俺の方を見ている。


「な、なんだよその表情は」


「おぬし、うるさいのう。今、話さなきゃダメか? 眠いんだが」

 何が起きているのか理解しかねる俺を他所に、眠りにつこうとする少女。寝かせろといえ圧が凄い。そんなに眠いか。


「お、おう。じゃあ起きてからでもいいよ」

 俺はその圧に負けてしまった。


「ふむ! じゃあ、おやすみだな! あんまり揺らさんでくれよ」


 少女は幸せそうに微笑みながら眠りにつく。

立ち尽くす俺。


「なんなんだこの状況は……」


 この少女の存在や、俺らが巨大男をぶっ飛ばした事を組織に伝えると絶対に面倒な事になる。


「とりあえず、帰るか……」


そう察した俺は、組織の人間が来る前にそそくさと現場を後にした。

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