第0話 プロローグ
「もう腐ってるんだよこの世界は。俺は神になる。そして世界を作り変える」
「そんな事はさせない。私たちはただの人だ。特別な力を持っているだけの人間だ。 神になるなど、そんな傲慢なこと許されない!」
「俺が作り替える世界は、誰も虐げられない、弱者も平気で生きれる素晴らしい世界だ。お前らはそれを否定するのか?」
「貴方の思想を否定はしない。もちろん許されない所業をした人間もいる。だが、間違いを犯した人間を徹底的に排除するやり方など……擁護出来るわけないだろう!
裁きを下すのは我々でも、貴方でもない! 理想を叶えるための手段を間違えるな!」
「口を開けば綺麗事ばかり……! お前みたいな連中がのさばるせいで、付け上がる人間たちがいる。それがこの世界を腐らせる! お前ら全員、俺の理想のため消えろ!!」
「こうなる事は最後まで避けたかったが、止むを得ないか……。 家族だろうと容赦はしない! その命尽きるまで、戦わせてもらう……!」
1000年前のある日。
長きにわたりこの地を守り続けた神降ろしの巫女一族は、きょうだい10人の争いによって本意不本意入り乱れながら全員がこの世を去った。
戦いは終わったと思われたが、そうはいかなかった。
神に近しい能力を行使していた彼らは常軌を逸した特殊な存在となり、肉体が朽ち果てても魂だけの存在としてこの世に留まっていた。各々が次の目覚めを待ちながら。
そして現代。
完全に力を取り戻した魂たちは、再び壮絶な戦いを産むこととなる。
これは、世界に絶望した者たち、希望を抱き続ける者たちが、理想、願い、夢をぶつけ合う物語。
正義も悪も表裏一体。最後に生き残った者が、全てを手に入れる。
掴み取れ、己が願いを―――