第9話夕、嫉妬する
この作品はカクヨムとpixivに投稿した物です。
今回は夕が嫉妬しますが、嫉妬の相手は文乃ではないですよ。
夕の家に戻ると、おばさんが居間に夕飯の用意をしてたけど
今日は夕の誕生日を祝うと言う事で、今日の夕飯も豪勢だ。
夕はちょっと自分のPCで確認する事があるから、自分の部屋に戻っている。
「温海ちゃん、文乃ちゃん、ちょっと早いけど夕の誕生日を祝ってくださいね~」
「はい、そうします」
「も、もちろん……です」
温海はちょっと照れてるけど、彼女のお母さんだからね。
「もう~、温海ちゃん、夕と恋人になって長いんだから、もっと気楽にしてね~」
「ま、まだ1年ちょっとですから……」
「1年も恋人をやってれば十分よ。それに……2人はラブラブだしね~」
夕のおばさんは頬に手を当てて、頬を染めてるけど……おばさんも夕と同じく
おっとりしてて、綺麗と言うよりは可愛い感じの人だけど、やっぱり胸は大きい。
なので、夕は間違いなく母親似。
「そ、そんなことは……」
温海は照れて顔を赤くするけど
「言わなくても、わかるわよ~。恋人同士はね~2人きりの時はイチャイチャするのよ~」
と言われて、さらに赤くなる。
「おばさん、温海が真っ赤ですよ」
「まぁ、まだまだ照れるなんて、温海ちゃんはまだまだ初心ね~。
でも、そこか可愛いし、夕が好きになるのがわかるわね~」
そういって、温海を抱きしめるけど……ここまで一緒だとは。
「あ~お母さん~温海ちゃんを取っちゃダメ~」
自分の部屋に戻っていた夕が、温海を抱いているおばさんを見て慌てて引きはなす。
「あらあら、夕、ちょっとしたスキンシップなのに、そんなに嫉妬しなくても~」
「いくらお母さんでも~温海ちゃんに黙って抱きつくのはダメ~」
夕が珍しく嫉妬するけど、黙ってなければいいのか。
「夕さん、黙ってなければいいのかな?」
わたしが聞くと
「温海ちゃんを~抱きたい気持ちはわかるから~ちゃんと言ってくれればいいよ~」
と答えたけど、いいんだ。
「それじゃ、抱かせてもらうわね~」
おばさんがそう言って、温海を抱こうとすると
「お母さんはだめ~」
と言って、夕は温海を自分の方に引き寄せた。
「あらあら、ちゃんと言えばいいんじゃなったの?」
「お母さんは~大人の魅力があるから~お姉ちゃん子で~年上好きの~温海ちゃんキラーだからだめ~」
「大丈夫、わたしにはお父さんがいるから、温海ちゃんを取らないわよ~」
「それでもダメ~」
夕はそう言って温海を抱きしめるけど、当の温海は……いつものむっちつり顔だ、うん。
「親子で恋人の取り合い展開も悪くはないか」
「漫画とかならいいけど~現実じゃダメ~」
何時もは乗ってくる夕も、これは乗ってこないか。
「現実じゃ、やばいもんね」
「そうだよ~温海ちゃんはきっと、お母さんに簡単に堕ちるよ~」
温海もお姉ちゃん子で、年上に弱いからわかる気がする。
でも、母親と娘の恋人の百合……うん、悪くはない。
悪くはないが、夕が珍しく嫉妬してるから、きっとドロドロな展開になるかなぁ。
でも、夕もこんな風に嫉妬するんだな。
「ゆ、夕……暑いから話してよ……」
むっちり顔になっている温海であるが、流石にいつまでも抱きしめられたままじゃないか。
「離したら~お母さんに取られちゃう~」
「だ、大丈夫よ、夕、わたしは夕一筋だから」
「本当に~?」
「本当だって」
「それじゃ~離してあげる~」
夕が抱きしめるのをやめると温海は息を吐いたけど、本当に暑かったんだ。
「お父さんはケーキを買いに行ってるけど、温海ちゃんと文乃ちゃんはお風呂に入ってね」
「わかりました、お先い頂きます」
「お先に入ります……」
温海はなんかヘロヘロになってるけど、顔はちょっとにやけていた。
お風呂は順番に入るけど、おじさんがケーキを買って帰宅したので
夕と温海は一緒に入るに事になった。
「お2人共ごゆっくり」
「文乃、変な事考えてない?」
「まぁ、考えてるし、お風呂だしね~」
「はぁ……夕とは何度もお風呂に入ってるけど、そんな事1度もないわよ」
温海も呆れてるけど、それもそうだ。
浴場で欲情……いや、なんでない。
「一応~お互いの裸は見てるからね~」
夕がそう言うと、温海は赤くなる。
「温海さん、顔が赤いですよ?」
わたしがからかうように言うと
「ゆ、夕の言い方が悪いのよ!」
というけど、お風呂は裸になるものですから。
ただ、あまりからかうと時間が遅くなるからこれ以上は言わない事にする。
「確かにね」
「今日は意外と引き下がるのね」
「まぁ、夕の誕生日を祝いますからな」
「それもそうね……夕、お風呂に行くわよ」
「うん~」
温海と夕がお風呂に行くと、わたしはクッションに横になりながらスマホを
適当に見るけど……うとうとし始めたと思ったらそのまま寝てしまった。
そして、夕と温海に起こされたけど、湯上りの夕さんは色っぽいですな。
あと、温海もなんかいつもより色っぽく見えたけど……多分寝ぼけてるかな。
「なんか、寝てた……」
「買い物も~結構時間がっかったからね~」
「体調でも悪いの?大丈夫?」
温海がそう言って,おでこを当ててくるけど……普通は手ではないですか?
あと、顔が近いですよ。
「温海さん、顔が近いですよ」
「熱が無いか確かめてるだけだわ」
「でも、普通は手じゃないですか?」
「え、お姉ちゃんがいつもこうしてくれてるけど……」
温海は顔を赤くして、わたしから離れる。
「家族ならそうかもだけど、流石に親友とはね」
「もう~文乃ちゃんにも~そんなことして~」
夕がまた嫉妬してるけど、今度は温海も困ってる。
「ゆ、夕、文乃が熱が無いかたしかめた、だ、だけだから」
温海は慌ててるけど、夕は
「なんてね~ちょっとからかっただけだよ~」
と言って、これまた珍しく舌を出すけど、夕もこんな所があるんだなぁ。
「なら良かったけど……」
温海は安心して息を吐くけど、普段見られない夕を見る事が出来て今回のお泊りはいいことずくめだ。
「それじゃ、夕の誕生日を祝おうかな」
「そうね」
「それじゃ~居間に行こうね~」
わたしは起きが上がると、3人で居間へとむかう。
そして、夕の誕生日を夕の家族と共に祝ういながら、楽しい食事となったのだった。
お読みいただきありがとうございます。
今回は夕の母親が登場しましたが、親が登場したのは初めてかも。
夕は母親似ですが、性格はもちろん体系的な意味でも似ています。
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