37°のナミダ
37°のナミダが生まれました。
彼女はまるくて水玉によく似ていました。
彼女には瞳と声がありませんでした。
でもとてもあたたかくて、
からだいっぱいのコトバをもっていました。
彼女のコトバは
ふわふわで
ギザギザで
つるつるで
ドロドロで
私にはどれもむずかしく感じました。
それでも私は彼女がだいすきでした。
彼女は水玉になりました。
そして水玉になるまえに一度だけ
私のほっぺたをなでてくれました。
まるくてあたたかくて
コトバをいっぱいに詰め込んだからだが
さいごに微笑んでくれたような
そんな気がしました。
涙は言葉になりきれなかった感情の発露なんじゃないかと思う時がある。