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黄龍ミルキー

「...ドラゴン」


 私がそう呟くと彼はそのドラゴンの背に乗りました。


「俺は【ドラグナー】だ。ドラゴンの背に乗ることで本領を発揮することができる。悪いが加減はできないぞ」


「...良いよ。その方がいいに決まってる。私もその方が貴方に本気で挑めるからさ」


 ちょいちょいと指を動かして彼を挑発する私。


「全く...。初めて見た時は美しい人だと思っていたけれど、肝まですわっているとは想像以上の女性のようだね君は」


「それは褒め言葉として受け取っておくわ」


 私と彼のやり取りの後、先に動いたのは彼の方だった。


「【龍牙蒼栄斬+260】!!」


 私よりも高い+値の攻撃をかましてくるが、私の外装はその程度では壊れはしない。


「...ッ! 高位のドラゴンでさえ一撃で屠る技だぞ? なぜ魔法使い職の防御力で耐えられるんだ?」


「さあ? 意外と貴方の技に威力がないだけじゃないかしら?」


「おいおい、言ってくれるな。全く...今日ほど眷属者として自分の実力を疑ったことはない」


「じゃあ諦めるの?」


「まさか、そう簡単に諦めるわけにはいかないさ。君の眷属者としてね」


「...」


(まあ、私は自分の眷属なんて要らないんだけどさ)


 そう、私が欲しい人物はカズ君だけ♡


 彼さえ私の物になるのなら地位も財産も要りません♡


「カズ君♡ ああカズ君♡」


 私が悶える様を見て彼は「美しい...」と答えるのでした。

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