クラスアップ後の戦争
『00:00:00』
メニュー画面のカウントダウンが0になると勇者パーティは戦争へと駆り出される。
「周囲を警戒!」
カズ君の声と共に私たちは周囲を確認する。
「...ここは!」
「大聖堂の近くだよ! 和希!」
小鳥遊優樹の言葉通りですね。
私達が警戒していると空が赤く染まり魔物達が進軍してくる。
「サイクロプスに機械兵士...、それにハイトロルですか。雑魚でもなかなかの粒揃いですね」
石川君が敵戦力の分析をした後に合体魔法をぶっ放しました。
「まあ、クラスアップした僕たちの敵ではないですが」
パンパンっと手をたたきながら途轍もない爆撃魔法を投下する彼の実力の上がりようは想像以上のはずなのに...。
(どうしてでしょう? そこまで凄いと思えないような...)
地形すらも変えるほどの破壊力を有しているんですけど、今の私からすればそれでも普通くらいの感覚になっていました。
「はんっ! 石川だけにいい格好させれるかよ!」
そう叫びながら佐藤が敵の方へと特攻して行きます。
「【プロミネンス・ランス】!」
上級の戦士へと昇格した彼は属性を武器に込められるようになったようですね。
そのまま槍の矛先から小さな太陽を出現させて敵を一気に蒸発させました。
「...やりますね。佐藤」
「お前だけにいい格好はさせないさ」
元々馬が合わないはずの彼らですが、死地をこれだけ一緒に潜り抜けて来ただけになんだかんだいいコンビになっているのかもしれません。
これは私も負けていられないなぁ...。
そう思った私は魔法を解き放つのでした。




