あんな事があったのに
〜次の日〜
「カズ君おはよ〜」
「あ...ああ、おはよう」
あんな事があったのに結美はいつも通り接してくる。
あれも彼女にとってはいつものアプローチだったと言う事だろうか?
...。
考えれば考えるほど頭が痛くなってきたので考えるのを一旦やめよう。
彼女がいつも通り接してくれるのなら俺もいつも通り接するだけだ。
朝食の時間になると結美が俺の横に座る。
「今日はカズ君の横に座っちゃおっと」
いつものノリで接してくれるのは正直ありがたい。
そう思う思っているとケロナの奴が朝食を持ってきた。
「んっ? なんでケロナが食事を運んでいるんだ?」
と聞いてみると「実は和食にも興味が出たのでちょっと練習させて貰ってました」と返ってきた。
しかし、改めて運ばれてきた物を見ても、意外と良くできている。
(1日でこのクオリティか...。意外とケロナには料理の才能がありそうだな...)
そして口に含んでみると、やはりそれなりのクオリティである。
まあ、流石に本業の仕事と比べられると家庭クオリティと言わざる終えないが、昨日今日の出来ではないと言えるだろう。
「うん! 美味いよケロナ」
と俺が呟くと彼女は少し嬉しそうにしているのだった。




